「上海凱阿クラブ通信」-中国クリッピング週間情報 2008年11月18日付 No.38
■目次
1)今週の特集
2)消費・トレンド関連
3)政治関連
4)経済関連
5)ビジネス関連
6)産業・会社関連
7)ビジネス・マーケティング関連 小論・コラム・ブログほか
8)住宅・不動産関連
9)環境・健康安全・衛生関連
10)社会関連
12)暮らし関連
13)上海・北京・杭州・蘇州・南京・香港ほか中国都市関連
14)科学技術・軍事関連
15)中国以外の他諸国関連(台湾含む)
16)文化・芸能・料理・スポーツ関連
17)歴史関連
18)中国流行語・中国語関連・中国法規制・制度、そのたの
コラム・ブログなど
19)駐在員・中国滞在者写真レポートなど
20)「漢院ニュース」および友邦会社、友人Blogなど
21)読者からの御意見(省略名にて掲載)
22)配信人雑感
23)配信人からのお知らせ
*特徴
1.日本で得られない「中国の生きた情報」が、一覧して判るように項目別に週間単位で得ることができ
ます。中国在中の駐在員にも「時間」と「コスト」を大幅にセーブすることができ、重宝されています。
2.人民日報を始めとする中国メディアおよび共同通信、時事通信、ロイターなどをカバーし、内容により
論調比較の為、日本主要新聞各誌の中国関連記事もクリップし、「読者の判断材料」の一助となるよう
心がけています。
3.配信人(浅地安雄)のこれまでの国際ビジネスや市場マーケティング・販売の経験・経歴上、中国の経
済やビジネス現状、市場やマーケティング情報が中心となりますが、その背景となる「政治」欄、「文化・
芸能」欄、「歴史」欄など中国社会・市場などを理解するうえでの情報も豊富にクリップしています。
また「コラム」「ブログ」「社説」などを積極的に掲載し、読者の情報の意味理解や咀嚼への一助となるよ
うクリップしています。
4.見やすくするため、「ハイパーリンク編集」をしています。
「先に見たい項目」にカーソルをあて、「Ctrl」キーを押しながら、マウスの左をクリックしてください。
その項目にジャンプし、閲覧できます。また目次に戻ることができます。
1)
今週の特集
「基軸通貨」で論議なし、ドル暴落を懸念か…金融サミット11月16日読売新聞
【ワシントン=鹿川庸一郎】「金融サミット」で取り上げられると見られていた基軸通貨体制を巡る議論は正式議題とならず、首脳宣言でも触れられなかった。
現実に「ドル以外に基軸となり得る通貨がない」(政府筋)ことに加え、基軸通貨の見直しとなればドル暴落、世界経済の混乱につながる懸念があるためだ。
サルコジ仏大統領はサミット開幕直前、「唯一の世界的通貨だったドルはもはや、その地位を主張できない」と述べ、サミットで基軸通貨体制について議論する意向を示した。しかし、会議では「ドル基軸通貨体制を堅持すべきだ」との麻生首相の発言に、他の首脳から異論はなかった模様だ。
サルコジ大統領の主張とは裏腹に市場ではユーロはドルに対し弱含んでいる。また、ドル暴落となれば、新興国が抱えるドル建ての資産価値が大きく目減りする。こうした事情から、各国の首脳が基軸通貨体制についてサミットで声高に主張することを阻んだようだ。サルコジ大統領はサミット後の記者会見で「(通貨は)重要な問題の一つ。3週間で解決するはずがない」と述べ、今後の議題としたい考えを示した。
金融サミット 新秩序へ“一歩”も残る火だね11月16日 産経新聞
米欧日の先進国と新興国の20カ国・地域(G20)の首脳が集った金融サミットは、「市場への適切な規制」と「新興国の発言力拡大」という新しい国際金融秩序に向け、“一歩”を踏み出した。だが、「自由」にこだわる米国と「規制」を求める欧州の溝はなお深い。経済がガチガチの規制にしばられ、各国が自国経済を優先する保護主義が台頭すれば、日本も大きな不利益を受ける。方向性は示されたが、具体的な枠組みの姿は、おぼろげにしか見えてこない。
「提案のすべてが首脳宣言に含まれた」
欧州連合(EU)議長国のフランスのサルコジ大統領は、会見で高らかに“勝利”を宣言した。
首脳宣言は「適切な規制」と「自由市場の堅持」の両論併記で、欧米の対立を回避したが、中身には随所に欧州の主張が色濃く反映されている。
その象徴が、マネーゲームで市場を混乱させたヘッジファンドと、複雑な金融商品を適切に評価できず泥沼の損失を招いた格付け会社への規制強化だ。サルコジ大統領は「アングロサクソン(米英)の世界では決して同意されなかった」と胸を張る。
金融危機の原因をめぐっても、米国は「政策の失敗による責任を事実上認めた」(サミット交渉筋)。その結果、米国は、危機が波及した新興国にも“謝罪”する形となり、自らの権限低下につながるIMF改革を受け入れた。
経済の急成長で先進国が存在感を増す一方、同時不況で先進国の地位低下に拍車がかかるなか、従来のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の枠組みは「制度疲労」を起こし、もはや対応できない。
「G20の枠組みこそが国際金融システムの中枢を担うべきだ」(ロシアのメドベージェフ大統領)。新興国は気勢をあげる。
今回のサミットは「100年の1度の大津波」を前に、結束を保つことができた。だが、規制の網のかからないヘッジファンドをどう監督するのかなどの具体論は先送りしたほか、保護主義の排除と規制の両立という困難な課題には踏み込んでいない。
ブッシュ大統領は「市場を損なうことなく健全な規制を構築することが課題だ」と語り、米国の自由市場へのこだわりの強さをうかがわせた。新興国の発言力強化でも、「今回の金融サミットがG7の代わりになるとは思っていない」(日本の財務相幹部)と温度差がある。
規制やIMF改革の具体論を積み上げ、新秩序を構築していく中で、ほころびが露呈する懸念はぬぐえない。G20の真の結束が試されている。(ワシントン、坂本一之)
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<金融サミット>「米一極」の転換期11月16日毎日新聞
「IMFでの新興国の発言権を拡大すべきだ」(中国の胡錦濤国家主席)
「米国発金融危機の最大の被害者は新興国だ」(インドのシン首相)
新興国首脳が米国主導の国際金融体制を公然と批判した事実が、金融サミットの歴史的な意味を物語る。米国への不満を持ちながら表に出すことが少なかった欧州勢も、サルコジ仏大統領を筆頭に「米国流」の修正を要求した。米国を軸に回ってきた世界経済の秩序は金融危機で大きな転機を迎えている。
米国発の金融危機にどう対処するかが最大のテーマだった金融サミットを主導した欧州と新興国は、サミット前からヘッジファンドや格付け会社への規制強化・拡大を要求。これに対し、ブッシュ大統領はサミット直前まで「自由な市場は経済繁栄のエンジン」と抵抗していたが、会議で噴出した米国批判の前に、妥協せざるを得なかった。
首脳宣言には総論的とはいえ、広範な規制強化が盛り込まれ、米国流の市場原理主義は修正を迫られる形になった。サルコジ大統領は「世界経済の危機に対処するため、先進国と新興国が初めて一致した歴史的会議」と高揚感を隠さなかった。首脳宣言は「いくつかの先進国は、高利回りを求める不健全なリスク慣行など市場に積み上がったリスクに対処しなかった」とも指摘。国際金融を大混乱に陥れた米国が名指しに近い形で断罪された。
世界不況の回避でも、米国を中心に先進国経済が軒並みマイナス成長に沈む中、世界経済の下支えは新興国頼みにならざるを得ない。世界経済は、米国一極集中から、多極化の時代へ向かいつつある。【ワシントン清水憲司】
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金融サミットでは追加的措置強調、市場は即効性乏しいと評価
11月16日ロイター
[ワシントン 15日 ロイター] ワシントンで行われた20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)が15日閉幕。会議終了後に会見に臨んだ各国首脳は、口をそろえて成果を強調したが、市場では、課題解決に向けた即効性を疑問視する声が多い。 サミットは、世界経済の成長回復や世界の金融システム改革に向けて協調することで合意するとともに、「必要なあらゆる追加的措置の実施」を盛り込んだ首脳宣言を採択した。 宣言では内需刺激のための財政政策の活用のほか、金融政策による支援にも言及。監督・規制当局による国際連携の強化や国際通貨基金(IMF)、世界銀行など国際金融機関の機能強化を含めた金融市場改革の原則を確認し、実行の工程を明示した行動計画をとりまとめた。 <金融システム安定に「あらゆる追加的措置」、金融政策にも期待感> 首脳宣言では、現在の金融危機の原因について「この10年弱の世界経済の高い成長、資本フローの伸びおよび長期にわたる安定が続いた期間に、市場参加者はリスクの適正評価なしに高利回りを求め、適切なデュー・デリジェンスを怠っていた」と分析するとともに、「いくつかの先進国では、政策・規制当局はリスクを適切に評価せず、金融の技術革新についていけなかった」と当局サイドの対応にも問題があったことを認めた。 こうした反省を踏まえ、宣言では「努力の継続と金融システム安定に必要なあらゆる追加的措置の実施」を表明。金融危機が世界の実体経済に影響を与える中で「適切と判断される場合における金融政策による支援の重要性を認識」と金融政策に期待感を示す一方で、「財政の持続可能性の維持に資する政策枠組みを確保しつつ、状況に応じ、即効的な内需刺激の財政施策を活用」とさらなる財政政策の必要性に踏み込んだ。 財政措置についてカナダのハーパー首相は会議終了後、「金融政策だけで世界経済は危機から脱却できないとの見解で一致した。追加的な財政措置が必要になるだろう」との認識を示し、同国は財政黒字にあるが「世界経済の需要拡大のためにわれわれができることは何でもする。追加の(財政)措置を検討している」ことを明らかにした。 ブラウン英首相も景気刺激に向けた財政政策で協調することが各国の内需を支援するとし、「今後数週間に多くの国がこの路線にのっとり行動する」と指摘。 オバマ政権への移行期間にあたる米国では、ブッシュ大統領から追加の景気刺激策に言及がなかったものの、ブラウン英首相は「財政政策の協調には、オバマ次期政権下の議会で審議される提案も含まれていると信じている」と期待感を表明した。 一方、日本の麻生太郎首相は会見で、通貨体制問題の根底には貿易の不均衡があるとした上で、会議では基軸通貨国には赤字体質の改善を求めるとともに、外需依存の国には内需拡大に努めることを求める議論があったと語った。日本は金融危機の直接的な影響は軽微で、経済構造は外需依存型だが、財政事情は先進国の中で最も厳しい状況に置かれている。国費5兆円程度の追加経済対策に伴う第2次補正予算案の国会提出時期も決まっていない段階にあり、麻生首相に同行した中川昭一財務相兼金融担当相は、追加財政措置について「財政出動をしようと思えばできるが、自ずと規律というものがある」と述べるにとどめた。 <金融市場改革に向け「行動計画」、早期に会計基準見直しや主要行監督を強化> サミットでは現下の金融危機の克服と再発防止に向けた監督や規制の枠組みの強化で合意。金融市場改革について、1)透明性および説明責任の強化、2)健全な規制の拡大、3)金融市場における公正性の促進、4)国際連携の強化、5)国際金融機関の改革──の5つの共通原則を確認した。これらの原則を「完全かつ精力的」に実行するため、各国財務相の責任に基づいて追加的な提言の策定を要請した行動計画もとりまとめた。 具体的には、2009年3月31日までに早急な対応が必要な措置として、複雑で流動性のない商品について国際会計基準の見直しと調整を求めるほか、信用格付会社の規範の採用とその順守を監視するメカニズムの採用の検討など格付会社に対する強力な監督、国境を越えて活動する主要な金融機関すべてに対する監督、金融安定化フォーラム(FSF)加盟国の新興市場国への拡大や国際通貨基金(IMF)など国際金融機関の機能強化などを挙げた。 こうした改革への取り組みについてブラウン英首相は「新たなブレトンウッズ体制への道」と表現し、「首脳宣言を見れば、われわれが将来に向けた新たな体制を構築しようとしていることは明確だ」と説明した。 <各国首脳が成果を強調、市場は「総花的」の見方も> こうしたサミットの結果について、ブッシュ米大統領が「非常に生産的だった」と語ったように、各国首脳は異口同音に成果を強調した。 特に、外貨準備を活用したIMFへの最大1000億ドルの資金融通など、国際機関の機能や資金基盤の強化などを会議に先立って表明していた麻生首相は「(今回のサミットが)歴史的なものと後世、評価される」と指摘。1997─98年に金融危機に直面し、克服した日本への期待の大きさと役割の大きさを感じたと語り、「日本の経験を示し、新しい枠組みを主導し、具体的な提言も行った。宣言にも反映された」と議論を主導できたと評価した。 麻生首相は2009年4月末までに開催する予定の第2回会合の日本開催に意欲を示しているが、フランスのサルコジ大統領は会議終了後にロンドンで開催される可能性があると発言。次回会合に向けた各国の政治的な思惑も見え隠れするものとなった。 市場からは、今回のサミットについて「新興国、途上国に対する支援や全体的な政治的理解、国際通貨基金(IMF)へのコミットメントなど、議論の方向性としてはよいもので、株安を防ぐ内容というイメージ」(野村証券・シニアストラテジストの冨永敦生氏)と一定の評価が聞かれるものの、「即効力のある政策は出なかった。市場の事前期待が小さかったため特段の失望感はないが、サミットはポジティブサプライズも作れなかったといえる」(バンク・オブ・アメリカ・日本チーフエコノミスト兼ストラテジストの藤井知子氏)と即効性に疑問を呈する声も多い。 JPモルガン・チェース銀行・チーフFXストラテジストの佐々木融氏は「サミットでうたわれた透明性および説明責任の強化や健全な規制の拡大、公正性の促進などは、先行きに向けた理想論。サミット宣言は総花的だ」とし、「現在の問題は『今をどうするか』だ。その観点から言えば、サミットは何もなかったに等しい」と厳しい評価を示している。
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成長回復へ内需刺激策=金融規制強化、IMF改革も-首脳宣言採択・金融サミット11月16日 時事通信
【ワシントン15日時事】日米欧の先進国に中国、インドなどの新興国を加えた主要20カ国・地域による緊急首脳会合(金融サミット)は15日午後(日本時間16日未明)、金融危機による実体経済の悪化に歯止めを掛け、成長へと回復させるため、「即効的な内需刺激の財政施策を活用する」とした首脳宣言を採択し、閉幕した。宣言では、国際通貨基金(IMF)などの財源・機能強化や金融監督当局間の国際連携強化に取り組むことも明記。さらに、危機の再発防止のため、「金融市場と規制の枠組みを強化する改革を実施する」と表明した。 また、金融危機克服に向け、各国が取り組むべき内容を「行動計画」として採択。その中で、格付け会社に対する規制や複雑な金融商品に対する監督強化、会計基準の見直しなどを具体的に示し、来年3月末までに実行するとした。行動計画や首脳宣言で示した内容の進展状況を点検するため、4月末までに第2回会合を開くことを宣言に記した。 議長を務めたブッシュ米大統領は閉幕後、声明を発表し、「非常に生産的な会合だった」と評価しつつも、「危機解決に向けて取り組むべきことは多い」と述べた。 今回の会合では、金融規制強化論を展開したサルコジ仏大統領など欧州諸国や新興国と、規制に慎重な米国の間で意見の隔たりがあったが、最終的に宣言は「健全な規制の拡大」を掲げ、「すべての金融市場・商品・参加者が適切に規制・監督されることを誓約する」と明記、今後の規制強化の流れを示した。一方で、米国が重視する「市場原理や自由な貿易・投資」を規制の前提として確認した。
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市場規制めぐり最終調整=IMF強化は大筋合意-金融サミット、声明発表へ11月16日時事通信
【ワシントン15日時事】日米欧に新興国を加えた主要20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)は2日目の15日朝(日本時間同日夜)、危機克服に向けた金融・財政措置に関する本格的な討議に入った。市場の混乱を増幅させた複雑な金融商品・取引の在り方については、規制強化を主張するサルコジ仏大統領ら欧州や新興国の首脳と、規制に慎重なブッシュ米大統領との間の隔たりが大きく、共同声明に盛り込む文言をめぐって最終的な調整が続いている。 ワシントン市内のサミット会場に到着したブッシュ大統領は一部記者団に対し、「(各国)首脳が市場開放と自由貿易の原則を再確認したことを喜ばしく思う」と強調。「危機は終わっていない。一部で進展はあったが、やるべきことはまだ多い」と述べた。 これまでの会合で、麻生太郎首相は「米国の市場原理主義と欧州の規制強化論の間を取る」として米欧を仲介。格付け会社への対応を含めた適切な規制導入を目指している。さらに、アジア新興国との協調も主張し、日本の存在感を示したい考えだ。 サミットは同日午後(同16日朝)に閉幕する。声明のほか、短期・中期の具体策を示した「行動計画」も発表する方向で調整している。 金融危機で財政難に陥った中小国を支援するための国際通貨基金(IMF)強化では大筋で合意した。麻生首相は、IMFに金融危機の早期警戒機能を与える案や、日米欧監督当局が加盟する「金融安定化フォーラム」(FSF)との連携強化を提言。IMFに対する最大1000億ドル(約10兆円)の融資方針も示し、各国の賛同を得た。
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【金融サミット】G20による初の協議、開幕 11月15日 産経新聞
【ワシントン=渡辺浩生】金融危機への対処を話し合う緊急首脳会合(金融サミット)が14日夜(日本時間15日朝)、ワシントンで開幕した。日米欧の主要国に加え中国やインドなど新興国を交えた20カ国・地域(G20)による初のサミットで、金融危機の拡大阻止と再発防止策、国際通貨基金(IMF)改革などについて協議する。規制強化をめぐり米欧間が対立、新興国が発言権拡大を求めるなど各国の思惑の違いが表面化する中、新たな国際金融体制の方向性を示せるかどうか注目される。
14日はブッシュ大統領主催の夕食会を開催。15日の会合で詳細を討議し、同日午後(日本時間16日朝)、大統領が成果を「ワシントン声明」として発表する。
ペリーノ大統領報道官は14日の記者会見で、(1)金融危機の原因の確認(2)各国による金融・財政政策について協議(3)国際金融システムの改革について原則合意-を目指すと述べ、新たに設置される作業部会が、具体的な改革案を次回サミットで勧告として報告することを明らかにした。
会合ではまず、危機の拡大と世界同時不況を阻止するために財政・金融政策の協調について討議する。各国が財政出動による景気刺激策や、中央銀行による資金供給拡大で連携が計れるかどうか話し合う。
焦点は金融規制の強化。金融市場・商品の透明性向上、格付け会社の監督強化や、デリバティブ(金融派生商品)の規制などで合意する見通しだが、欧米間の温度差も目立つ。
米側が、各国の監督当局や国際通貨基金(IMF)との協力強化にとどめ、「政府介入は万能薬でない」(ブッシュ大統領)と行き過ぎを牽制(けんせい)するのに対し、欧州側は国際的に共通する金融規制の導入を目指している。
IMF改革では、日本が支持する新興国の投票権拡大や、「最後の貸し手」としての緊急融資能力の拡大、欧州が求める金融監督の権限付与の是非について協議される見通しだ。
オバマ次期大統領は会合に出席せず、オルブライト元米国務長官とリーチ元共和党下院議員が代理として、各国代表団と非公式に会談する予定。
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12月から輸出時税還付率を再度引き上げ、3770品目―中国
11月13日 Record China
2008年11月13日、12日付新浪網によると、中国国務院は12日、一部製品の輸出時に係る増値税の還付率を再度引き上げると発表した。12月1日から実施する。輸出税還付率の引き上げは下半期に入って3回目。
引き上げ対象は輸出品目全体の27.9%に当たる3770品目で、労働集約型製品や機電製品などが中心。労働集約型の中小企業の輸出を支援することが狙い。また、鋼材、化学工業製品、穀物に対する輸出関税の徴収廃止と、化学肥料の輸出関税率の引き下げも決定。外需の減退を背景に減速する輸出をさらにテコ入れする。 【その他の写真】
輸出税還付率の引き上げは、温家宝首相の主宰で12日開いた国務院(政府)常務会で決定した。常務会では3件の固定資産投資も承認。西気東輸(西部のガスを東部に送る)プロジェクトの2本目ライン東区間(寧夏-広州、香港間)の建設、広東省と浙江省の原子力発電所のプラント増設、西部地域でのインフラ事業の3件で、投資額の合計は約2000億元となる。
さらに四川大地震の震災復興事業に3000億元の専門基金を創設することも決定。3件の固定資産投資を合わせると、投資総額は5000億元。先ごろ打ち出した4兆元の景気刺激策の具体行動の一部とみられる。(翻訳・編集/HI)
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上海市が2兆円強の投資計画、万博のインフラ整備も11月18日サーチナ
上海市の韓正市長は17日、市政府常務会議で市が立案している「国の内需拡大政策に対応して、市も積極的にインフラ整備を進める」計画に同意、2010年までに同市で1600億元(約2兆2400億円)の政府資金をインフラ整備や関連事業に投じ、同市の社会投資1兆1000億元(約15兆円)を引き出すとの試算を発表した。
投資の重点として、韓市長は五つ上げ、1.インフラ建設、2.産業構造の調整に合わせたプロジェクト建設、3.民生改善のための社会事業、4.省エネを重点とした環境保護及び農村建設、5.上海万博のための各種インフラ整備。万博について、「万博まで600日の行動計画」をしっかりと実施していくことも付け加えた。
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09年中国が世界にもたらす「7つの驚き」―米誌11月13日 Record China
2008年11月10日、新華網は最新のアメリカ「マッキンゼー・クオータリー」誌に「2009年の中国は世界に7つの驚きをもたらす」と題した記事が掲載されたと紹介した。同誌によると「この全てが実現されるとは言いがたいが、中国の現在・未来を見る新たな視座を提供しうるはずだ」という。
その7つとは
(1)中国は2020年までに国内の自動車の半数を電気自動車にすると宣言し、100兆ドル以上を投資し、自動車開発技術の先頭に立つ。 (2)世界における製造業の先頭に立つ。 (3)新たな建築法規を定める。 (4)中国はアメリカを代表する企業をいくつか買収する。その時の出費は聯想(レノボ)社がIBMを買収した時の10~100倍になる。 (5)中国の通信業は統一され、一社が独占する。
(6)サッカーのイギリススーパーリーグは中国プロサッカーを買収する。これにより中国の中産階級はスポーツ観戦に娯楽を見出し、出費を惜しまないようになる。 (7)中台関係の友好が進み、銀行の合併が行われ、金融取引が活発化される、という。 【その他の写真】
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オバマ次期政権に不安抱く日本 「人民網日本語版」2008年11月13日
上海国際問題研究院日本室の廉徳瑰副主任はこのほど、「解放日報」に次のような論考を発表した。
米国の大統領選挙で民主党のオバマ候補が当選したことは、欧州とアフリカでは喜びをもって迎えられ、「これは一つの革命だ」と賞賛する声が上がった。だが日本はどうだろうか。ここ数年の日本の外交政策の動きから考えてみる。
日本は米国と同盟関係を結んでいるが、米国の共和党と民主党とでは日本に対する「親密度」に違いがある。共和党のレーガン政権時代には日本の中曽根内閣と、またブッシュ政権時代には小泉内閣と間に非常に親密な関係を築き、中曽根康弘首相と小泉純一郎首相はいずれも靖国神社に参拝して、アジア諸国民の感情を逆撫でした。一方、民主党のクリントン政権時代については、「中国ばかりを重視し、日本に冷淡だった」との思いを抱く日本人が依然として多い。
もちろん、どの政党が政権を執っても、日米同盟が根本的に変わることはありえない。しかしながら、近年の米国のアジア政策で日本から中国へと徐々に重心が移っていることが、日本を不安にさせている。1980年代に日本に駐在した米国のマンスフィールド駐日大使はかつて「日米関係は世界で最も重要な二国間関係」と述べていたが、このたびの米大統領予備選でオバマ氏と候補指名を争ったヒラリー・クリントン氏は「米中関係は21世紀で最も重要な二国間関係」と述べており、日本はクリントン政権実現の可能性に神経をとがらせていた。
また今回の大統領選の進展につれて、両候補間の論争の焦点がますます絞られ、外交問題ではイラク、中東、そして経済パートナーである欧州と中国に話題が集中し、日本は「米国の外交ゲームの中で、日本はもはや重要なプレイヤーではなくなった」ということを痛感した。特にオバマ氏が選挙戦で日本にほとんど触れなかったことに日本は注目し、「オバマ氏のアジア政策はクリントン氏よりも一層中国を重視したものになる」との結論を出した。日本は、民主党政権になっても、日本が米国のアジアで唯一のパートナーであり続けられるかどうかを懸念し始めている。
実際のところ、民主党政権に対する日本の不安には根拠がないわけではない。たとえば朝鮮半島問題をめぐり、オバマ氏はブッシュ政権が朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対する「テロ支援国家」の指定を解除したことを前進ととらえるが、これは日本にとっては「拉致問題」の解決が遠のいたことを意味する。日本は、オバマ氏が今後、朝鮮半島問題において欧州や中国との連携をより重視するようになり、日本の利益が後回しにされるであろうと懸念する。
オバマ氏の当選後、日本のメディアには「米国では中国にばかり関心が集まっている。『日中戦争』時代の中華民国政府と米国との関係さえ想起されている。中米関係の急速な発展をみるにつけ、日本は自らの零落ぶりを思わざるを得ない」とする論調さえ現れた。
日本の不安に配慮してか、オバマ氏の当選後、米国の駐日大使・公使はメディアに対して「政権がどのように変わろうとも、米日関係が影響を受けることはない」といった談話を相次いで発表した。しかし日本の外務省は、オバマ政権がクリントン政権のように中国を重視し、日本を軽視するとの見方を崩していない。自由民主党の細田博之幹事長は「オバマ氏は中国ばかりを重視し、日本についてはほとんど何も知っていない」との見方を示し、自民党と米民主党との間に交流のパイプがないことにとりわけ強い懸念を表明している。
米国の「日米関係が最重要」から「中米関係が最重要」への方針転換には、東アジアの国際社会の変化が反映されている。オバマ氏の当選により、変化する東アジア情勢の中で日本の「孤独感」がますます強まることは確実だ。このため日本では「中国脅威論」が姿を消し、中国を含むアジア諸国とのバランスや、対米関係とアジア政策とのバランスを重視する声が上がるようになった。中米日のトライアングルへの注目度も日増しに高まっている。
上海万博、2010年4月30日夜に開幕決定「人民網日本語版」2008年11月14日
37の国と国際機関が13日午後、上海国際博覧会(万博)の出展契約に調印し、これで出展契約を結んだ国と国際機関は157に達した。また、リヒテンシュタイン公国が13日に新たに出展を表明し、数日前には227だった出展表明がさらに上乗せされた。2日後には、フランス館とドイツ館の建設が始まる予定だ。
同時に、150以上の国、20近い国際機関、世界40都市、20余りの著名企業からの代表700人余りが第3回出展側会議に参加するため上海に集まり、534日後に迫った上海万博の成功に向けた話し合いが行われる。
上海万博の運営案とアトラクションはほぼ固まり、開幕式は2010年4月30日夜、閉幕式は2010年10月30日に確定した。万博パークの開放時間は北京時間の午前9時から夜12時までの15時間。注目の集まるパビリオンの開放時間は北京時間の午前9時半から午後10時半までの13時間となっている。
出展側会議で発表される「中国2010年上海世界博覧会文化イベント計画方案」では、184日間の開催中、万博パークで毎日100近くのイベントが行われ、その総数は2万回以上になる見通しだ。
上海万博、自主建設会場の建設がスタート11月17日サーチナ
上海万博会場となる盧浦大橋の黄浦江南岸で15日午前、ドイツ館の建設が正式に着工し、これにより万博の建設がスタートすることになった。
関連写真:そのほかの上海国際博覧会に関する写真
この自主建設会場とは上海万博に参加する国が自主的に設計、建設するもので、今のところ49カ国が上海万博自主建設会場で建設をすることを決定している。
上海万博は「より良い都市、より良い生活」をテーマに、2010年5月1日から10月31日の期間で開催される。写真はドイツ館の完成予想図。
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死後60年か30年か 川島芳子の謎と歴史の残酷さ11月18日 サーチナ
北京に新紅資倶楽部という名のレストランバーがある。紅衛兵姿のウエイトレスで知られるこのバーに、中国人の知識人らとくると、決まって東洋のマタ・ハリこと川島芳子の話となる。というのも、この店の風格ある四合院造りの建物は芳子の旧居という。私の友人がこの店のオーナー、ローレンス・ブラム氏と昵懇で、彼から直接、この邸が昔、満州国復辟(退位した王が位に返り咲くこと)のための秘密連絡所に使われており、川島芳子も一時暮らしていた、という説明を受けたことがある。
その川島芳子(中国名・金璧輝)について、最近興味深いニュースが相次いでいる。芳子は、旧日本軍に協力した「漢奸(売国奴)」として1948年3月、北京で国民党軍に処刑された、ことになっている。が、処刑されたのは実は替え玉で、芳子は1978年まで吉林省長春市で生きていた、という証言者が次々登場しているのだ。
たとえば17日付の中国紙・新文化報は、芳子が長春市で隠遁生活をおくっていた証拠となる芳子を救出した男性が書いたらしい手紙と、芳子のものらしい遺骨が発見されたと報じている。手紙は「芳魂西天至未帰来国悲九州遠今奇才 秀竹 敬具 小方閣下 広幸」と篆書で書かれていた。小方閣下とは芳子の秘書で愛人の小方八郎だろう。内容は「芳子はすでに亡くなり極楽にいるが、(骨は)いまだ国に帰らず、遠く中国に残っていることが悲しい」という風に読める。
この書簡を発表したのは長春市在住の残留孤児2世の女性画家(41)で、彼女自身が幼少期に「方おばさん」となついていた女性が川島芳子であると、養父からいまわの際に教えられた。遺骨と書簡は養父からあずかった遺品の獅子像の中から出てきた。この養父こそが、芳子を処刑前に救出し同僚らとともに長春市に匿っていた旧満州国警察局長の日本語通訳とか。
また、遼寧市の民俗協会副会長が1956年の春節(旧正月)に、金璧輝という名の神秘的な女性が家にやってきて、満州語と日本語を交えて会話をしていた、という証言の報道もあった。記憶の中のその女性は芳子の写真の面影とよく似ていたという。
清朝の第14王女に生まれながら満州国復辟の道具として権謀家の川島浪速の養女となり、成人してからは特務機関の日本人に惚れたがためスパイとなった。友人は芳子について「時代と男の権力欲に翻弄された麗人スパイ」とし、売国奴に対する憎しみより同情を感じるという。
ところで、このニュースが話題づくりのフェイクでないなら、私はむしろ北平(北京)の刑場で銃殺された替え玉女性は誰なのかが気になる。金の延べ棒10本で買われた末期がん女性、という伝聞もあるのだが、彼女の素性や生い立ちを誰も調べようとしないところに歴史の残酷さがある。(執筆:中国ウォッチャー 三河さつき)
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2)消費・トレンド関連
今後の中国不動産価格、最悪の場合は年30%で下落11月12日 サーチナ
中国人民銀行や財政部などはこのほど、国内不動産市場の低迷を受け、景気刺激策を打ち出した。これにより、11月1日から住宅を購入する場合、印紙税が免除され、契約税は減税される。
関連写真:そのほかの不動産に関する写真
北京のメディアは「10月の国慶節連休期間に開催された秋の住宅展示即売会では入場者が多いのに対し、成約件数は少なかった」と報道している。北京市の不動産取引管理ネットによると、2008年1月1日に、予約販売許可を受けた未分譲戸数は6万9685戸、10月30日時点の未分譲戸数は11万2885戸に達し、新たに4万3000戸も増加したのに対し、第4四半期の成約戸数は2万戸以下であると見込まれている。
統計局は北京市の分譲価格は下落傾向にあり、この傾向はしばらくの間続くものと予測している。中国最大の直轄市である重慶の国土資源住宅管理局は「秋の住宅展示即売会で成約戸数は8236戸、平均成約価格は1平方メートル当たり3857元で、上半期より311元低下した」と発表した。
中国指数研究院は「9月、全国主要都市不動産平均取引数は64%減少し、1月から9月までの取引数は去年の同じ時期より46%減少した」と発表した。不動産の市況が冷え込んでいることを受け、財政部と人民銀行は一連の景気刺激策を打ち出している。
11月1日から、90平米以下の一般住宅を初めて購入する人に対し、契約税の税率を1%に引き下げるほか、印紙税を免除し、住宅売却する際の土地増値税を免税する。地方政府はこれにより、住宅消費に関する減免を実施することができる。
中国社会科学院金融研究所の易憲容研究員は、これらの対策について、「不動産市場に対しては小幅かつ頻繁な利下げでは景気回復できない。価格が下落傾向にある不動産業の市場における利益構造が変化し始めた。政策金利の引き下げによって自分たちが住むための家を買う人は限られている。刺激策にもかかわらず、このような自己居住用住宅しか販売できていない当面の市況から見れば、値下がり幅は一層拡大するだろう。理性的な価格に戻ることが不動産振興の唯一の道である」と指摘した。
中国銀行国際金融研究所はこのほど、国内不動産市場の見通しを発表し、「下落周期に入っている不動産価格は今後2年間、値下がり幅が平均して10%、最悪の場合は30%に拡大し、2010年になってようやく上昇に転じるだろう」と予測している。写真は11月に行われた住宅展示会の様子。
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躍動する中国現代アートの今と昔=専門家・栗山明氏11月13日 サーチナ
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日本にいると、中国現代アートの盛り上がりは想像しづらいかもしれない。なぜ中国で現代アートが躍進したのか、今後はどうなるのか、当のアーティストたち関係者はどのように見ているのか? 長年中国現代アートの現場を見てきた栗山明さんに聞いた。
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今、注目!中国現代アート勃興の軌跡をたどる 前編
近年の中国で現代アートの躍進ぶりは目を見張るものがある。北京、上海などで続々と大型のアート街が誕生、国内の若いホワイトカラー層や欧米の観光客・美術関係者で賑わっている。中国人作家の作品が次々と国内外のオークションで数十万ドルもの高値を出したニュースを耳にしたりもする。
5年ほど前から市場で急騰を続けた中国現代アート作品は今年に入って値を下げ始めているという。これまでの盛り上がりは一時的なバブルに過ぎなかったのか、それとも値が落ちる今後こそが旬で、さらなる躍進の可能性を秘めているのか? 投資対象としても中国の今を理解する上でも注目に値するであろう。
日本にいると、中国現代アートの盛り上がりは想像しづらいかもしれない。なぜ中国で現代アートが躍進したのか、今後はどうなるのか、当のアーティストたち関係者はどのように見ているのか? 長年中国現代アートの現場を見てきた栗山明さんに、中国現代アートの置かれている状況を聞いた。
――まず、これから中国現代アートがどうなっていくとお考えですか? 正直予想は難しいですね。市場は今も高い価格が付いていますし、世界中でもてはやされてもいます。ただ、このままいい気でやっていていいのかな、とは思います。たとえば韓国ですね。韓国はこれまでどちらかと言えば内輪だけで流通していたのですが、新興の画廊・アラリオがニューヨーク、北京に進出し、さらには東京にも進出するとの噂を聞きます。彼らは韓国の村社会的な閉鎖性を打ち破って国際社会に進出していく。そうなると、韓国作品がどんどん世界に出てきて、相対的に中国作品の価格が下がっていくことも考えられます。最近注目のインドも後ろに控えていますしね。
――すでにそうした状況は始まっているのですか? それはまだです。ただ、今の中国作品の値段の付き方はあまりにもすごいと思います。キャリアもなく、たいして勉強もしていない大学を出たての若者の作品に、多い例だと500万円もの値段が付いたりして、主に海外の画廊から青田買いされているわけですが、ちょっと浮かれているのではないかと。
――やはり海外の画廊ですね。 ええ。ただ最近は中国の投資家も買い始めています。798(※1)を歩いてみても、たとえば黒龍江省の企業家がとりあえず画廊を作り、若手のキュレーターを雇って、試しに経営してみる、そんな例にいくつも出会いますよ。画廊の数はここ数年でずいぶんと増えました。今は北京も上海も需要が多いんです。日本では貸し画廊制度が一般的で、すなわち日本の普通の現代アート作家だと、バイトで稼いだお金で画廊のスペースを借りて展示するわけですが、中国はそういう状況ではなくて、画廊がお金を出して現代アート作家を抱えているのが普通ですから、すごいことだと思います。
<北京で出会った衝撃的なパフォーマンス>
――栗山さんの中国現代アートとの出会いは15年前に遡りますね。 大学の授業で選択した東洋美術史に興味を持って、初めは軽い気持ちで北京に留学したんです。中国現代アートのことはよく知りませんでしたが、北京に行ったらあるだろうと思って。でも、なかなか出会うことがなくて、悩んだりもしました。そうしたらある日、展覧会で出会った中国人に「現代アートを探している」と話しかけたところ、「おもしろい所を紹介してやる」と農村に連れていかれました。1994年9月のことです。
――そこが東村ですね。 そうです。そこには馬六明や張〓(※2)たち12、3人がいました。今でこそパフォーマンスアート生成の場としてよく知られる東村ですが、当時は紹介されてなく、すごく貧しい農村でよくもこんな物凄いパフォーマンスをやっているな、と驚きました。
――実際にパフォーマンスを見て、いかがでしたか? 張〓の≪65公斤(65kg)≫を見ました。小屋に全裸の彼が吊るされて、腕から抜き取られた血がチューブを伝って皿の上に落ち、皿の下の加熱器で血が沸騰していく。65kgとは彼の体重ですね。気温は30度を超えていたのですが、そんな暑い室内で血と血の煮えたぎる匂いが迫ってきて、五感に訴えた完璧なパフォーマンスだと衝撃的でした(〓は三水偏に亘、以下同)。
――中国現代アートの歴史に残る有名な作品ですね 今でこそそうですね。ぼくが行った頃はまだ東村も有名ではなくて、なにしろぼくが一番最初に訪れた外国人でした。
――栗山さんは一貫して中国現代アートと関わってきましたね何がひきつけたのでしょうか? 93年に多摩美を卒業する少し前あたりから、あれだけ衝撃的だった天安門事件の影響が徐々に払拭され、改革開放にまい進する中国が横にありました。社会全体が新しい時代を迎える、高揚感に満ちて日々激変する場から一体どういう芸術表現が生まれるのか、そこに強い興味を覚えました。それは今も基本的に同じです。
90年代前半の北京東村に代表される前衛性の強いもの、そして90年代半ばから始まる大衆社会の本格的な勃興と娯楽の多様化に伴う前衛という概念自体の衰退、そして今に続く市場での異常なまでの中国現代美術バブルと、それに伴う様々な弊害と矛盾、最初は水と油のようだった体制側との関係の変化、798の登場や美術館などインフラの急増などによる環境の激変など、中国現代美術を取り巻く状況は現在でも非常に特徴のあるものです。
こうした今までどの国も経験したことのない状況展開から発生する芸術表現として、私は中国現代美術に強い関心を持つのです。
――それにしても中国の変化はすさまじいです。 私は昭和38年生まれですが、私の世代は物心ついたときには東京オリンピックも大阪万博も学生運動も過去にあった大きなお祭りみたいで実感がありません。中国のように今、社会全体が何か大きなうねりをもって新しい時代に突入してゆくことに、漠然としたあこがれのようなものもありました。
――中国現代アートがここまで注目されるとは思いましたか? 確かに香港で93年に開催された中国大陸の現代美術展が注目を集めたこと、ベニス・ビエンナーレに初めて中国が参加したことなどは知っていました。ポリティカル・ポップ(※3)やシニカル・リアリズム(※4)などの動向が海外のメディアで取り上げられることもありました。しかしまさかここまで中国現代美術が世界から注目を集めるとは全く想像もできませんでした。何せ北京では当時、現代美術やロックは事実上禁止状態にあったと言っても過言ではありませんでしたから。世界の美術市場でここまで中国現代美術がバブル状態になるとは誰も予想できなかったでしょう。(聞き手、文責:麻生晴一郎 企画:サーチナ・メディア事業部)
※1 798……北京市朝陽区大山子にある大型美術施設。かつての国営工場の建物をほぼそのまま使った画廊やアトリエが数百軒あるほか、最近ではウーレンスなど美術館をはじめカフェ、上映施設、ライブスペースもでき、中国現代文化の発信基地のようになっている。
※2 張〓……中国の著名なパフォーマンスアート作家。1965年河南省生まれ。中央美術学院卒業後、北京郊外に東村と呼ばれる芸術家村を作り、前衛パフォーマンスを展開。現在はニューヨーク、上海在住。
※3 ポリティカル・ポップ……中国語では政治波普。80年代末-90年代前半にかけて資本主義の流入を諷刺的に扱い、文化大革命時のプロパガンダ様式の絵などを欧米的なポップアートに転化させた作品。王広義が代表的アーティスト。
※4 シニカルリアリズム……中国語では玩世。ポスト天安門事件の潮流として、改革などの理想を捨て、冷めた目線で集団に埋没する人間などを描いた。方力鈞や岳敏君が代表的アーティスト。
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コン・リー国籍変更、「寛大に受け止めを」―中国紙11月15日 Record China
2008年11月13日、中国を代表する国際派女優のコン・リー(鞏俐)が国籍変更し、中国国民から激しいバッシングを受けている件で、中国紙「国際先駆導報」は「寛大に受け止めよう」と国民に訴えた。
記事は冒頭から、「米女優のアンジェリーナ・ジョリーが03年、カンボジア国籍を取得すると発表した時、米国民は何の反応を示さなかった。ところが中国で同じようなことが起こると、なぜこれほど一大事になってしまうのか?」と問いかけた。身内意識が強い中国人にとって自国を代表する女優が別の国に流出することは「確かに耐え難いこと」と理解を示したものの、「中国人であるというDNAは変わらない。マイケル・ジャクソンがいくら整形しようとも、黒人という事実は変わらないのと同じだ」と沈静化を呼び掛けた。 【その他の写真】
記事はまた、「要するに今まで通り中国映画やCMに出て、大晦日には春節晩会(中国版紅白)に顔を出せば良いのではないか?」と反問。「もしもアンジェリーナ・ジョリーが中国籍に変更すると言ったら、我々はその行為を責めるどころか大変な歓迎をするだろう」という例え話まで出し、「コン・リーの件も、寛大に受け止めるべきでは」と呼び掛けた。
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作り手にも先入観を超える発見が―NHK『激流中国』11月17日 サーチナ
胡錦濤政権が掲げる「持続可能な成長」路線の下、変化を迫られる中国の民衆や組織にカメラを向け、戸惑いや怒り、苦悩などをリアルに映し出して話題を呼んだNHKスペシャル『激流中国』。企画の経緯や制作背景、視聴者からの反響などについて、制作を統括した角英夫チーフ・プロデューサーに聞いた。
――印象に残っている視聴者の反響は?
中国は、情報量が少ないせいもあってステレオタイプに捉えられがちな国のひとつです。そこを打ち破りたかったですし、視聴者の方々はもちろん、われわれ作り手の先入観を超えるような発見もいくつもありました。
たとえば、第1回の「富人と農民工」。この回では農民工の父親が一生懸命に働き、娘に仕送りをして大学に行かせようとする姿を紹介しましたが、反響としては、中国の格差問題は深刻だという声と同時に、「どうしても大学に行かせたい」という思いで病気になりながら働く父親の姿を見て、「親というのは、そこまで子供のことを考えるものなのだ」という中国の家族の結びつきの強さを再発見する人が日本人・中国人ともとてもすごく多かったんです。
第2回「ある雑誌編集部 60日の攻防」も作り手として興味深かったですね。報道統制の中で、一人ひとりの記者が工夫しながら、事実を伝えることに執念を燃やす姿は、日本のメディア関係者から見ても迫力をもって受けとめられたようです。「われわれもうかうかしていられないな」という声を多く聞きました。
また、最終回の「環境破壊との闘い」などで、中国のNGO(非政府組織)やNPO(非営利団体)の活動を紹介しましたが、そうした組織が政治に対して屹立して、いろいろなことを投げ打って頑張っている様子が日本の視聴者には新鮮だったようで、大きな反響がありました。中国人の多様性や公共心をかいま見ることができて、底力を感じたという意見も多く寄せられました。全般的に、視聴者からは「いかに中国の現実を知らなかったか」という感想が多かったですね。日本人だけでなく、日本在住の中国人視聴者からも同じような反響がありました。母国の報道が制限されていることや、地方に行った経験がない人が多いので、かえって新鮮だったのではないかと思います。
――続編の予定はないのでしょうか?
おかげさまで局内外からたくさんのご要望をいただいています。シリーズの続編を作るかどうかはともかく、日本にとって中国は特別な隣国であり、めまぐるしく変化する姿を先入観邪念なく、正確に伝えることは大切だと思いますから、今後もNHKスペシャルなどを通じて、さまざまな形のドキュメンタリーで紹介していければと思っています。
なお、10月下旬にはシリーズに関連した書籍『激流中国』(講談社刊)が出版され、12月下旬には、シリーズ後半回について番組を再放送する予定です。
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3) 政治関連
胡錦濤主席がG20金融サミットで講演 4つの改革措置を主張
「人民網日本語版」2008年11月16日
胡錦濤国家主席は15日、米ワシントンで開かれている20カ国・地域(G20)の金融サミットで、「協力を通じて共に困難な局面の打開を」と題する基調講演を行い、現在の世界的な経済・金融危機に対し、次の4つの改革措置を打ち出した。
(1)国際金融管理に関する協力を強化し、国際監督システムを整備し、評価機関の準則を確立。世界の資本流動の監督に力を入れ、各金融機関と仲介組織の監督を強化し、金融市場とその商品の透明度を高める。
(2)国際金融機関の改革を推進し、国際金融機関の政策決定層の選出メカニズムを改革し、発展途上国の国際金融機関における代表性と発言権を高め、世界範囲の、特に主要国際金融センターの早期警報システムをできるだけ早く構築。国際金融機関内部の管理構造を改善し、(経済・金融)危機に対応するリアルタイムで有効な救済メカニズムを構築し、国際金融機関の適切に職責を履行する能力を高める。
(3)地域的な金融協力を促し、流動的な相互協力の能力を強化し、地域的な金融インフラ施設の建設を進め、地域の資金救済メカニズムの役割を十分に発揮する。
(4)国際通貨システムを改善し、国際通貨システムの多元化を着実に進め、世界の貨幣体系の安定を共同で支える。
中国、途上国、新興市場の発言権強化に照準11月16日産経新聞
【ワシントン=山本秀也】金融サミットに出席した中国の胡錦濤国家主席は15日の演説で、国際金融システムの改革を進める中で、新興市場を含む発展途上国の「発言権強化」を求める方針を表明した。米欧主体で構築された戦後の金融体制が、今回の金融危機で転換期に踏み込んだとの判断によるもので、先進国に対しては、金融市場の安定化で「あるべき責任と義務を果たすべきだ」と求めた。
胡氏のサミット演説は、国際協調による金融危機の克服を訴えつつも、途上国の権利拡大を先進国に迫る中国外交の基本パターンを金融問題で持ち出した形だ。今後本格化する金融秩序の再構築をめぐる議論で、世界トップの外貨準備高など経済力を誇る中国が新興市場の雄として、より高い地位を求める戦略が浮かび上がった。
金融危機の原因について、胡氏は「不適切なマクロ経済政策と、金融管理の失敗が原因」として、ウォール街発の金融危機を引き起こした米国の金融政策を暗に批判。「危機が途上国に与える損害を極力抑えるべきだ」として、途上国向け融資の条件緩和や対外債務の減免などを先進国に求めた。
中国自身の取り組みとしては、さきに表明した総額4兆元(約57兆円)の景気刺激策を挙げて、「中国経済の発展は世界経済の発展を促す」と見えを切ったが、国際通貨基金(IMF)への支援増額などでは具体的な言及を避けた。
IMFへの支援表明を見送ったことについて、中国筋は「世界銀行傘下の貿易融資プログラムには積極的な関与姿勢をサミットで表明した。中国国内での景気刺激策も、海外企業の対中投資には有利な貢献ではないか」として、麻生太郎首相が記者会見で失望感を示したことに反論している。
中国は危機の克服で「早急な対応」を呼びかける一方、金融秩序の再編では「段階的な改革」を求める慎重姿勢もみせる。改革・開放路線への転換から30周年目に遭遇した難局で、先行きを読みきれない不安感も中国は抱え込んでいるようだ。
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台湾の陳水扁逮捕 最高で懲役30年か?「人民網日本語版」2008年11月13日
台湾検察当局は、汚職などの容疑で陳水扁・前指導者を逮捕した。
当局が今後、懲役10年以上となる公的資金横領の罪で起訴し、裁判官が拘置を認めれば、最長で判決確定まで拘置でき、直接刑務所に送られて執行刑期に入ることも可能だが、通常は、検察官が起訴して裁判所での取り調べに移行する際には、逮捕された被告の保釈が認められる。
特別捜査班が今月末、遅くとも年末までに犯行事実を固めて起訴すれば、陳水扁は自由の身となる可能性が高い。台湾の「連合報」が伝えた。
陳水扁の刑期については、裁判所がいくつかの罪で判決を下せば、あわせて数十年の懲役となるが、「刑法」などの規定をあわせると最高で30年の懲役となる。しかし、陳水扁は有利な旧法を使って、20年の懲役を求刑する可能性も考えられる。
中朝間で緊張高まる、中国が兵力増強―英紙11月17日 Record China
2008年11月13日、英紙・デイリーテレグラフは中朝国境の緊張が高まっていると報じた。16日、環球時報が伝えた。
10月初頭、北朝鮮は中国から陸路での北朝鮮旅行を禁止した。現在北朝鮮に入国するには、北京または瀋陽市からの航空便のみが許可されている。一部報道は12月10日以降、空路を含むすべての交通が遮断されると伝えている。極めて緊密だった中朝関係だが、2006年の北朝鮮による核実験実施以後、中国は北朝鮮国境の防護柵を修復するなど両国関係は次第に緊張の度合いを深めている。 【その他の写真】
また中国政府は、中朝国境の兵力を増強しているとも伝えられるが、ある米政府スタッフは北朝鮮情勢に異変が生じた際、難民の流入を防ぐための措置であると指摘した。北朝鮮に圧力を加え米政府との協議成立を促す意図があるとの見方も出ている。
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中国とラテンアメリカの軍事交流、「他国を脅かさない」11月17日 サーチナ
中国中央軍事委員会の徐厚才副主席が16日からベネズエラ、チリ、ブラジルの3カ国への友好訪問を行っている。中国国防部外事弁公室の銭利華主任は北京で、「中国とラテンアメリカの軍事交流と協力は、いかなる第三国をも目標としたものではない。また、ほかの国の脅威となるものではない」と語った。
関連写真:そのほかの人民解放軍に関する写真
銭利華主任はまた、「中国とラテンアメリカの軍事関係は完全に正常な軍隊間の関係だ。その目的は互いに理解を深め、友好関係を強めることであり、軍が国家の主権と領土を守り国際事務の面で相互理解をすることにある」と述べた。写真は10月28日、中国で行われた人民解放軍による軍事演習の様子。
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4) 経済関連
人民銀総裁、人民元切り下げの可能性を示唆11月13日 サーチナ
税関総署が11日に発表した最新のデータでは、10月単月の貿易黒字は過去最高の352億4000万ドルに達したが、これは輸入の急激な減少によるもので、中国の輸出低下は引き続き悪化している。
関連写真:そのほかの人民元改革に関する写真
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は11日、ブラジルで行われた国際決済銀行(BIS)の会議に出席した際にインタービューに応え、経済成長を維持するためには輸出の低下を食い止め、人民元切り下げの可能性も排除しないと答えた。
周小川総裁は、「中国人民銀行はいかなる利用可能な手段も排除していない。ただ現段階において中国の国際収支には際立った変化がないため、人民元切り下げの議論はまだ時期尚早」と述べた。
対外経貿大学金融学院の丁志傑副院長は、「中国の輸出はすでに非常に厳しい局面に入っており、政府は人民元の切り下げを通じて輸出を回復させ、一方的な人民元高に歯止めをかける可能性はある」と話す。
2005年に人民元為替レート改革が行われてから、人民元の対ドルレートは上昇し続け、2008年7月まで人民元対ドルレートは累計で16%近く上昇した。ここ2カ月の人民元対ドルレートは、1ドル=6.83~6.85元で動いている。
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5) ビジネス関連
ソロス氏インタビュー発言「次の金融帝国は中国だ」11月12日サーチナ
ロシア共産党機関紙「プラウダ」によると、米著名投資家のジョージ・ソロス氏は、中国が現在金融危機をしのいだ「最大の勝ち組」となり、今後は国有銀行や巨額債務を抱える欧米諸国をおさえ、新たな世界の金融帝国になるとの予測を述べた。人民網がこのほど伝えた。
同氏の発言は、ドイツ「ディ・
ヴェルト(Die Welt)」紙のインタビューでのもの。金融危機の原因やサブプライムローンについての自身の見解を述べた。「現在は1930年代以来の金融危機。金融体制に問題がある」と言及、金融市場はすでに求心力を失っていると指摘した。
欧米は今後、国有銀行や巨額債務を負うことになると予想し、中国が「金融帝国」として台頭する可能性も示唆した。「米国の影響力は過去25年間の赤字続きで、すでに弱まっている。一方中国や産油国は黒字が目立つ。米国は生産を上回る消費をしすぎたことで債務が蓄積しているが、中国、産油国は米ドル貯蓄や米国国債で潤った。今後さらに多くの富を手にするだろう」としている。
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6)産業・会社関連
国家電網が1000億円の購買契約 4兆元計画が始動11月18日サーチナ
17日付第一財経日報によれば、中国最大手の送電会社である国家電網公司は14日、電力設備企業数社と総額71.1億元(1000億円)の購買契約を交わした。資金のうち27.3億元は中央予算からのもので、中国政府が内需拡大のため、今後2年間に投じると発表した4兆元投入計画のうちの一部。国家電網の購買契約は、この計画の実施第1号となった。
国家電網では今後2年以内に総額1.16兆元、同業の南方電網も600億元を投じて送電網の設置を行う計画で、一連の作業により短期的には金属や建材、電気・機械などの分野が恩恵を受けるとみられる。ただ、景気低迷により工業企業の成長が鈍化している中、電力需要も減少しており、送電網への投資については長期的にみれば内需拡大の効果は薄いとの指摘も出ている。
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カジノ最大手がプロジェクト凍結、6千人以上が失業か―マカオ
11月13日 Record China
2008年11月12日、香港「文匯報」は、米カジノ大手、ラスベガス・サンズ(LVS)が経営不振のためマカオで進めていたプロジェクトを一時凍結、失業者は少なくとも6000人に上ると報じた。中国新聞網が伝えた。
同グループのスポークスマンは11日、今年第3四半期の決算報告を行い、純損益は3200万ドル(約30億円)の赤字だったと発表。その席でマカオプロジェクトの一時凍結も発表された。 【その他の写真】
同グループは、マカオの超豪華リゾートホテル「ザ・ベネチアン・マカオ」の開発を行っており、第5期および第6期工事が未完成だった。だが、11日の時点で、すでにほとんどの作業員が現場に出ていない状況。取材に応じた1人は、「数か月前から給与未払いが続いている。作業員のほとんどは別の現場に移った」と証言した。
マカオは、「東洋のラスベガス」といわれるカジノを中心とした世界的な観光地。02年にカジノ経営権の国際入札が行われてからは、外資系企業からの投資ラッシュが続いていた。
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<乗っ取り>中国マグロ漁船の日本人は船長の久貝豊和さん
11月15日 毎日新聞
【北京・浦松丈二】日本人1人を含む24人が乗り込んだ中国天津市のマグロ漁船「天裕8号」がアフリカ・ケニア沖で海賊に乗っ取られた事件で、漁船を所有する天津市の「遠洋漁業公司」は15日、日本人の身元を同船船長の久貝豊和さんと明らかにした。
同社によると、久貝さんは55年生まれ。日本でのマグロ漁の経験をかわれて昨年8月から同社に雇われている。中国では近年、魚の消費量が急増しており、経験豊富な日本人が遠洋漁業の指導にあたるケースが増えているという。
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7)ビジネス・マーケティング関連 小論・コラム・ブログほか
日本経済のムードを明るくするかもしれない中国の景気刺激策
11月11日 サーチナ
グローバル投資のポイント 第115回-村田雅志
11月9日の夜、中国政府は、国営の新華社を通じて景気刺激策を発表しました。年内に1000億元(約1兆5000億円)を投資し、2010年末までの総投資額を4兆元(約57兆円)とする計画です。その中身は、低所得者層向けの賃貸住宅の建設促進や農村のインフラ建設、鉄道・道路建設などによる交通網の整備、増値税改革による企業減税など多岐にわたっています。
中国経済にとって「お得意様」となっていた米国経済が、景気後退局面に陥ってしまったほか、ユーロ圏を始めとする欧州も景気減速感が強まっており、原油価格の低下で中東産油国の景気も不透明感が高まっています。中国は、こうした国々への輸出を拡大することで成長率を高めていただけに、このままでは中国の景気も悪化する可能性がありました。今回、中国政府が大規模な景気刺激策を実施することで、中国の成長率が欧米諸国ほど低下せず、むしろ世界景気をけん引する役割を果たす可能性も出てきたといえそうです。
今回の景気刺激策では、単に財政支出を拡大させるだけでなく、金融政策も緩和的なものに変更してます。中国政府は、物価上昇(インフレ)率を抑制することを目的とした金融機関の貸出枠規制を撤廃する予定です。
たしかに、中国の生産者物価の伸びは、10月に前年比+6.6%と、9月の同+9.1%から大きく鈍化しています。原油価格の下落が続いていることも考えれば、今の中国経済のリスクは、インフレではなく、成長率の鈍化(景気悪化)といってよく、中国政府の対応(景気刺激策)は、それなりに合理的なものと思えます。
中国政府による景気刺激策は、中国だけでなく日本の株式市場からも歓迎されています。中国政府が景気刺激策を発表した翌日(10日)、日経平均株価(前場引値)は、470.90円高の9053.90円と、9千円台を回復しています。中国は日本にとって最大の輸出先ですから、景気刺激策によって中国の需要が高まれば、日本の輸出が拡大し、ひいては日本の景気も押し上げられる展開が期待されます。
世界的な景気減速で日本の経済界にも暗いムードが蔓延しつつあります。中国の景気刺激策をきっかけに日本経済のムードが明るくなるよう期待してみたいと思います(執筆者:村田雅志 株式会社GCIキャピタル・チーフエコノミスト)
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【津上俊哉のブログ】中国の 「58兆円内需拡大策」 フォローアップ 2
「58兆円内需拡大策」の関連情報が増えて、少し様子が分かるとともに、「老婆心」 もいささか湧いてきました。平成20年11月16日 記
中国の 「58兆円内需拡大策」 フォローアップ2
「58兆円内需拡大策」の関連情報が増えてきました。
1.財政支出の中身について
伝えられた4兆元の対策は投資分だけの数字であり、増値税減税 (1200億元) や増値税輸出還付率引き上げなど3000億元の減税は外枠であった。
また、4兆元のうち中央財政の直接投入は1兆1800億元、その他は地方・民間など関連投資を見込んでいることが記者会見で発表された。4兆元のうち新規分(前倒し含む?)は2.5兆元との民間アナリスト推計がある。
本年末までの第4四半期に中央財政から1000億元の直接投入を行い、これによる関連投資分を併せ4000億元の需要創出を見込む由である。(ちなみに、発展改革委は記者会見で 「1000億元追加投資の準備は6月以前から着手されており、準備は整っている」 ことを明らかにした。やはり、景気減速はかなり早くから警戒されていたのだ。)
年末までの1000億元の具体配分先
低所得層向けなどの住まい対策 100億元
農村のインフラ、民生対策 340億元
*うち水利部関係で合計 (200)
うち 「南水北調」 事業 (20)
大型治水事業 (70)
飲料水安全確保 (50)
鉄道・道路・空港等重点インフラ 250億元
医療衛生・文化教育事業 130億元
省エネ・環境保護対策 120億元
*うち汚水処理・ゴミ対策 (50)
重点流域水質汚染防止 (10)
省エネ・循環経済推進 (25)
自主創新・産業構造調整対策 60億元
【関連情報】
【中央投入1000億元の外数でアシの速そうな計画】
国家電網(送電網) 公司年内調達計画 27億元
*うち中西部都市送電網建設 (14)
中西部農村送電網建設 (13)
【プロジェクト認可情報 (中央投入額との関係は不分明)】
「西気東輸」2線寧夏-広東工程 930億元
広東陽江・浙江泰山の原発建設 955億元
新疆等のダム・内蒙等の支線空港 174億元
【部門毎の~2010投資計画 (中央投入額との関係は不分明)】
道路 (農道含む) 10000億元
鉄道 9000億元(年内前倒し500億)
民航 (空港) 建設 2500億元
低所得層向け住まい対策 9000億元
2.金融緩和など資金対策について
前回エントリで 「利下げより融資の量的拡大が肝心(準備金比率引き下げ等)」 と述べたが、その後の報道によると 「利下げ」 が先らしく、その予兆が人民銀行の公開市場操作や債券市場動向からも覗える由である。
利下げの理由として、実体経済の借入意欲が低下しているため借入意欲を刺激することが重要とのことだ。新規の設備投資借入についてはそのとおりだろう、運転資金借入については切実な量的ニーズがあると思うが、ニーズが切実なほど (資金繰りの苦しい会社ほど) 銀行としては貸しにくい・・・かもしれない。
4大銀行は内需拡大10項措置をなぞる形で、これをサポートする業務方針を発表している。ただ、4大銀行は国有大企業への融資を優先しがち、下手をすると、鉄道や高速道路など大型公共プロジェクト (国有企業) 向けの融資口を各行が我先に争う結果、民間企業向け融資枠が“Crowd Out” される恐れなしとしない点が懸念材料だ。
狭義の 「金融」
概念からやや外れるが、中央財政投入に随伴すべき地方政府投入分の資金手当について地方政府向け融資を行う国家開発銀行が年内に400億元の融資追加を行うことが発表されたほか、政府も追加措置を検討している旨を明らかにしている。財政が潤沢な省政府レベルまでは良いが、市政府以下になると土地払い下げ収入の大幅減少で資金繰りが苦しい地方も多いので、何らかの手当は必要だろう。
3.気づきの点
今回の措置は世界金融危機への対応、各国の緊急内需拡大策という観点から高い評価を得た。タイミングも規模も絶妙だったと言える。しかし、これを中長期的な中国経済の発展という観点から見ると、やや印象が違ってくる。一言で言うと、「政府のワンマン・ショー」 的な色彩が強すぎる気がする。
もちろん寸刻を争う緊急対策として、政府自ら財政出動する訳だから 「政府主導は当然」 とも言えるが、この数年中国経済は国有企業 (国有経済) 中心の様相を強めており、その分、裾野の広い民間経済は経済政策の片隅に追いやられている印象がある。
今回の措置も政府が経済に働きかけるというより、(国有企業も含めて) 圧倒的に大きな経済主体である政府が自らの活動を拡大する計画に見えてしまう。しかし、政府主導の内需拡大策はやはり 「呼び水」 役であるべきであり、その後は民間主導の成長路線にバトンタッチできるように構造改革・市場化政策による後フォローが必要ではないか。それなしでは
「政府主導・固定資産投資主導」 の景気回復になるが、それでは半年前まで政府自身が戒めていた経済成長の姿に戻ってしまう。有効需要創出が喫緊事の今、これを言うのは早すぎるかもしれないが、それが 「気づきの点」 である。
【今日のブログ】中国は日本から何を学ぶべきか11月13日 サーチナ
2007年、温家宝首相の日本訪問、「融氷之旅」に続き、08年は胡錦濤主席による日本訪問「暖春之旅」が行なわれ、中国政府は「日本に学べ」と盛んに提唱しているという。このブログは30年にわたる改革開放の結果、経済においては日本に肉薄し、間もなく追い抜くほどまでに成長している中、日本から一体何を学ぶべきかを考察するものである。以下はそのブログより。
--------------------------------------------------------- 2007年、温家宝首相の日本訪問、「融氷之旅」に続き、08年は胡錦濤主席による日本訪問「暖春之旅」が行なわれ、中国政府は「日本に学べ」と盛んに提唱している。それでは我々はなぜ日本に学ばなければならないのだろうか。そして何を、どのように学ぶべきなのだろうか。 関連写真:そのほかの中国で報道されている日本に関する写真
日本と中国はともにアジアの国として、文化上では多くの共通点が見られる。はるか昔、日本は遣隋使や遣唐使を中国に派遣し、中国の制度や法律だけでなく、漢字や仏教、技術を積極的に取り入れることで今日の日本文化を作り上げてきた。近代以来、日本と中国はそれぞれ異なる現代化への道を歩み始めたばかりか、戦争までしている。
中国は30年にわたる改革開放の結果、経済においては日本に肉薄し、間もなく追い抜くほどまでに成長している。このような状況下で、我々は日本に何を学ぶべきなのだろう。
これから世界へ向かって進出しようとする中国にとって、日本はすでに先行する存在であるうえに、世界からの尊重も勝ち取っている。世界へ進出して久しい日本は、地政学上または文化上から見ても、中国にとっては良い手本になるというわけである。
また、現実的な内政においても日本に学ぶべき点はたくさん存在する。中国は現在、自由や民主、人権、法律などといった問題を抱えているが、かつての日本も同様にこれらの問題を抱え、そして解決してきたのだ。また、日本の製造業やIT、金融や物流などといった日本が世界に誇る分野についても学ぶべき点が多いことであろう。
極東の島国に過ぎなかった日本が、明治維新を経てアジアの列強に名を連ね、第二次世界大戦での敗戦後に奇跡の復興を遂げることが出来たのは、日本が向学心を持ち、教育を重視していたことが理由の一つに挙げることが出来るだろう。
また、日本を通して、異なる文化の学習方法についても知ることが出来る。かつての日本は中国に学び、明治維新以降はヨーロッパに学び、第二次世界大戦以降はアメリカに学んでいるが、外国に学んだところで自国の優秀な伝統を放棄しないという点が特徴的だ。最後に、中国人にとって、日本人の信用と時間を守り、真面目であるという人的素質についても学ぶべきであろう。
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【今日のブログ】日本語を勉強している中国人11月12日 サーチナ
写真はイメージ。上海では外国語を学ぶ老人が増えているという。
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中国では日本語を始め、外国語を学習している人も多い。このブログは日本語を勉強している人のブログである。
--------------------------------------------------------- 最近、私は多くの時間を日本語の学習に費やしている。何時ごろから始めたのかは覚えていないのだが、日本語に対して突然強い興味を覚えたのであった。
はるか昔、私が高校生の頃、日本語を勉強したことがあったのだが、当時は全くといってよいほど興味がなかったため、片方の耳から聞いた授業の内容はもう片方の耳から抜けて行き、ほとんど何も覚えていなかった。しかし、今回はかなり真面目に勉強している。
関連写真:そのほかの中国で報道されている日本に関する写真
私は勉強する際には、その対象に対して「興味」があることが重要だと思う。興味があればこそ、多くの単語を覚えることや文法を学ぶことも負担には感じなくなるのである。
学校では中国に留学している日本人女性が日本語を教えてくれている。彼女との接触が多くなるにつれて、勤勉で礼儀正しく、遠慮深い女性という事が分かった。私は彼女の人格が素晴らしいと感じている。彼女はとても誠実で善良なので、授業も素晴らしいものになっている。
中国人にとって、日本人から日本語を学ぶのと、中国人から日本語を学ぶのとでは、心理的に大きな違いが存在する。日本人から日本語を学べば、自分が話し、聴く言葉が本当の日本語であることを実感できるだろう。この良好な環境を求めて今の学校を選んだのである。
日本人の先生も、我々に対して日本語を好きになってくれてありがとうと感謝していたが、「抵日(日本ボイコット)」が習慣になっている人々からは、「日本語など勉強して何をするつもりだ?」という声が聞こえてきそうである。
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冷凍食品の有害物質の混入問題から、マナーの問題まで何かと日本国内で評判が悪い中国と中国人だが、ちょっと立ち止まってよく考えて欲しい。本当に中国は悪い国なのか、ということを。
・マナーについて 上海を訪れたある時、上海浦東空港から上海市内のホテルまでタクシーを利用したが、こちらがあまり北京語ができないと分かるや否や料金メーターの電源を切り、ホテルに着いた際に通常より100元(約1400円)も高い料金を請求された。上海は外国人の観光客も多いことからこうしたボッタクリは多々ある。
また、レストランで食事を注文し、一緒に飲み物はどうかと聞かれ、断った際にも中国語の方言で悪口を言われたこともある。他にも、ペットボトルやタバコのポイ捨て、電車の乗車マナーなど数えれば限がない。そして初めて行った中国でこういう目に会うと中国が嫌いになり、帰国して噂話としても広がってしまう。
ただ、中国の人口は日本の約10倍であることを再度認識して欲しい。それだけ人口が多いと様々な人がいるのは当然だ。日本では考えられないような価値観をもった人がいてもおかしくはない。
・悪い人間ばかりではない 中国人は外の人間には冷たい対応をとるが、一度仲間意識を持つと非常に友好的になってくれることも事実だ。河南などの地方へ行くと、遠くから来た者は客人として酒の席に呼ばれて歓迎される。一度酒を酌み交わせば友達として見てもらえて、酒の席での接待で次の日からの対応が全く変わってきてしまう。
ある時、上海のコーヒーショップに入った際、店員に最寄の地下鉄駅を尋ねた。私のつたない英語と北京語での会話を不憫に思ったのか、中国語で○○駅はどこですか?と書かかれた紙を渡して、古いものだからと地図までくれたのだ。中国のサービス業は最悪だと言われていたのを聞いていたが、一部だけを見て判断するべきではないと思わせられた出来事だった。
・昨今の有害物質混入について 中国の工場で作った冷凍食品に有害物質が混入していたという事件に、中国で人為的に混入したのではという憶測もある。仮にその憶測が事実だとしたら、それは日本企業側にも責任があると私は考える。それは管理体制がどうという問題ではない。
現在、中国の日系企業の現地法人は重要ポストを全て日本人で固めていることが多い。プライドの高い中国人は、結局は人件費が安い自分たちを働かせて日本人は殿様気分だと憤るはずだ。仲間意識が強く、様々な価値観を持った人たちが集まれば、ばれないように異物を混入することも容易いのではないだろうか?例えば、守衛がこうした活動に協力し、工場への入門記録を改ざんなど、考えられることは多々ある。
中国での日本企業の人件費を抑えるだけの安易な事業展開は中国人のプライドを著しく傷つける恐れがある。そうなったら、上海でのボッタクリのように、様々な方法で拒否を始めるのではないだろうか?
まずは中国人という先入観を捨て、同じ人ということで接してみてはどうだろうか?幸い顔立ちは似ている。受け入れてくれる中国人は少なくないはずだ。(記者:UMA)
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8)住宅・不動産関連ほか
北京の商品住宅販売、全国最大の下落幅に 1~10月
「人民網日本語版」2008年11月15日
国家統計局は14日、今年1~10月の全国不動産市場の状況について発表した。「京華時報」が伝えた。
発表によると、北京の商品住宅の販売面積は1~10月、830万8300平方メートルで、昨年同期から49.6%縮小した。商品住宅の販売総額は1049億6千万元で、昨年同期から43.5%下がった。これら2つの下げ幅は全国で最大となった。不動産への投資では、北京は投資額が下がった唯一の省(自治区・直轄市含む)となった。北京の1~10月の不動産投資は1315億2900万元、そのうち住宅投資は682億元で、それぞれ7.3%と4.5%の下落となった
全国の不動産開発投資額は1~10月、2兆3918億元で、昨年同期から24.6%の増加となった。増加幅は1~9月より1.9ポイント下がった。商品住宅の販売面積は4億5千万平方メートルで、昨年同期から16.5%縮小した。商品住宅の販売総額は1兆7590億元で、昨年同期から17.4%下がった。
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9)環境・健康安全衛生関連ほか
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10)社会関連
中国汚職官僚の巧妙な海外逃亡:実態を実話から読み取る11月12日サーチナ
写真は、海南省で実際に発生した汚職事件を題材に、大々的に汚職防止イベントが開催されたときのようす。
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中国では、政府高官などが汚職の発覚を恐れて海外逃亡する際の一般的なルートが存在する。資産を渡航先へこっそり移し、家族を先に国外へやり、パスポートなどの渡航準備に万全を期す。目的のカネを手に入れ、突然職場から姿を消し、姿をくらます。さらに、その地での長期居留許可を取得する。これらの過程は、長期的かつ巧妙な計画が必要なのである。例えば、中国のウェブメディアでは次のような実話を紹介している。
関連写真:そのほかの中国における汚職一掃(反腐敗)活動に関する写真
****************************** 2004年5月20日、孫民(仮名)は、逃亡の第一歩を踏み出すために、慣れ親しんだ故郷を後にした。2日後、彼は米ヒューストンの街角に現れ、逃亡計画を見事完結させた。「誰も好き好んで故郷を去った訳じゃない。ここでの生活は特に不自由なくいい暮らしをさせてもらってるけど、故郷の親戚とはもう連絡をとれないよ」と、政府の役人であった孫民はいささか寂しげである。
このように、不法な手段で金銭を手に入れ国外へ逃亡を図った元役人たちの生活は、孤独との戦いだという。周囲の多くの人が彼の事情を知っているため、外に出ることもままならず、始終不安げに毎日を過ごしているのだという。
2002年、孫民の息子孫小飛(仮名)は、高校卒業後自費で米国の大学に進学することになった。孫小飛をよく知る友人によると、彼の母、すなわち孫民の妻は、息子の進学に付きそう形でともに米国に渡り、ヒューストンの郊外に数十万ドルの自宅を購入し、リッチな生活を始めたという。2001年に孫民が視察で米国を訪れた際、この物件を気に入り、その後当地の華僑が経営する不動産会社を通じてこの館を購入したらしい。また購入に際し、外国人という特殊な身分のゆえか、更に10万ドルもの大金を上乗せして支払ったという。
また、孫小飛の大学のクラスメートは、孫小飛が当時から毎日ニューモデルのベンツを運転してくるなど、クラスの中でも浮いた人物だったと証言している。日頃から彼の父親について特に話題にすることはなく、何かの折に彼の父親は中国にいると聞いただけで、その他のことは特に知らないという。
孫民の妻は米国についた後、ニセの資料を集め米国移民局に政治的事情による庇護を求めた。その事情とは、彼女は第二子を妊娠したが、中国政府は「一人っ子政策」にのっとり彼女の出産を認めないというものだった。彼女はこの理由を通じてグリーンカードを手に入れるまでにこぎつけた。このことによって、後から来た孫民も合法的に在留資格を得やすくなった。中国人が政治的事情による庇護を米国に求める際、「一人っ子政策」から逃れるためという理由づけをすると、90%の確率で同意を得られるそうだ。
孫民の妻が2003年に米国に渡った後、孫民は部下に従来のものとは別に、更に1冊旅券を作成するよう指示した。彼は各部門に顔がきくこともあり、旅券の発行は順調に行われた。この旅券を使い、シンガポール経由米国行きの逃亡が決行された。内情をよく知る人物によると、この巧妙な逃亡計画は1年がかりのものだったという。
孫民と同様に逃亡先に北米を選んだ人物として、ハルピンの中国銀行河松街支店元支店長の高山がいる。6億元(90億円相当)を横領しカナダへ逃亡した高山は、孫民と同じようなルートを辿り、家族を先に逃亡先の国へ渡航させ、目的のカネを手に入れた後、自らも姿をくらました。
高山と孫民に違いがあるとすれば、前者は銀行の貯蓄口座からの横領で、犯行は容易に発覚しやすいが、後者の場合は、多くが賄賂による収益であったため、犯行事実がつかみにくいところにある。しかも、すでに辞職した役人については捜査の手が及びづらく、過去の不祥事が取りざたされることもまれだ。
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汚職官僚たちが逃亡先に選ぶ国の前提として、犯罪人引渡し条約が中国と結ばれていない国であることだ。また、移民の多い国というのも逃亡先に選ばれる条件である。これらの国では金銭の受け渡しや、政治的な事情を理由に亡命を申請することにより、滞在許可が下りやすい。EUの国々では移民受け入れに積極的ではないため、逃亡先に選ばれることは少ない。
目下、米国やオーストラリアが中国の汚職官僚の会する場となっており、彼らのために、当地の華僑が逃亡計画決行を幇助するサービスまで存在するという。このサービスとは、法律の目を潜り、当地の弁護士と連携し、依頼人のために不動産購入やマネーロンダリング、在留許可の取得まで世話するという内容で、そのサービス料金も相当高額だという。
汚職官僚たちの海外逃亡計画は、大体において1年ほどの準備期間を要するようだ。そのうち、旅券発行が非常に核となる部分だ。滞りなく出国し、彼の地に入国するための重要な切り札となる。彼らが逃亡の際使用する旅券は、密出国や犯罪者の用いる偽造旅券と異なり、正真正銘の正式な旅券である。彼らは偽名を使い何冊かの旅券を所持しているが、これらは公安部より正式に発行された旅券なのである。
江西省の胡長清元副省長の汚職が発覚した際、高峰と胡誠という偽名で本人の写真が貼り付けられた偽の身分証2枚と、陳鳳斉と高峰という偽名による旅券が2冊見つかった。胡長清は、偽の身分証について、南昌市の某派出所副所長の取り計らいにより発行されたと供述し、当時の副所長とその子供にも身分証を偽造させ、旅券が発行されるよう便宜を図っていたという。
専門家によると、権力や金銭などその他の手段で「偽の正規旅券」を手に入れることは難しいことではなく、こうなると、出国してしまえば痕跡が残りづらく、逃亡先で恐れることもなくなるという。汚職官僚の例のように、海外に逃亡する犯罪人向けの「偽の正規旅券」発行は、今や、国内の公安機関において主要なこづかい稼ぎとなっているともいわれている。(執筆者:祝斌)
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複数で「共有」まで?!汚職官僚の90%に愛人11月13日 Record China
2008年11月12日、中央紀律検査委員会の劉春錦(リウ・チュンジン)副主任によると、党幹部による汚職事件が続発する中、失脚した汚職官僚の90%は愛人を囲っており、中には複数で1人を囲っていた例さえあったという。「信息時報」が伝えた。
劉副主任は、党幹部の汚職には大きく分けて「違法ビジネスの手助け」「業務の独占」「ワイロの授受」の3種類があるとし、その特徴として「巨額な経済案件が多い」「権力を一手に握っているパターンが多い」「家族、秘書、友人などを巻き込んだグループでの犯行が目立つ」「犯罪手段が高度化し、善人ぶって『演技』をする官僚が増えている」の4点を挙げた。 【その他の写真】
また、党の気風の問題として「何かにつけて金銭のやり取りをする」「コネを利用する」「権力の乱用によって不当な利益を得る」「贅沢を是とする」「品行方正でない」などと指摘した。
さらに「失脚した汚職官僚の90%は愛人を囲っており、極端な例では複数で1人を囲っていたケースもあった」とモラルの崩壊を嘆き、「都市建設が進む中、多くの富豪の誕生に伴って官僚の汚職や失脚も激増した。中でも不動産がらみの汚職が突出している」と紹介した。
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11)教育・雇用・就職関連
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中国人留学生ビザ発給、最多の3万7千件―米国11月12日 Record China
2008年11月10日、米華字紙「美国明報」は、在中国米国大使館が昨年1年間に本土中国人に発給した留学生ビザ総数は3万7000件で、歴代最高を記録したと報じた。
記事によると、米国の大学に通う留学生、研究者およびその家族を合わせた総数は112万人で、うち留学生が8割を占める。国別で最も多いのは韓国で、2位がインド、中国本土は3位となっている。
【その他の写真】
留学生が最も多いのはニューヨーク市立大学で1万2237人。第2位が南カリフォルニア大学の6万695人で、5944人のコロンビア大学、5866人のパデュー大学がこれに続く。人気の専攻分野は、ビジネス、マネジメント、ITなどだった。
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【今日のブログ】日本人学生との交流で感じたこと11月17日 サーチナ
日中友好平和条約が締結されて30年。日本と中国は政府間だけでなく、民間レベルにおいても様々な交流が行なわれている。このブログは日本の学校と交流を持つ中国の高校に通う学生が、交流を通じて感じたことを述べたものである。以下はそのブログより。
---------------------------------------- 私が通っている学校には日本の学校との交流があり、日本の学生を招待する伝統がある。そして今回、私達と同年代の日本人学生たちが大阪からやってきた。彼らは普通の専門学校生であり、我々は授業中ではあったが、校門に列を作って彼らを出迎えた。
関連写真:そのほかの中国で報道されている日本に関する写真
日本人学生の髪型や服装、言動を見ると、彼らと我々との間には本質的な違いが存在するように感じた。上海市の重点学校に通う身として、各方面において我々は彼らよりもより学生らしく、教師の評価を引用すれば「学問があって上品」といったところであろうか。
日本人学生たちといえば、ネット上で見られる奇抜な髪型に厚化粧、ピアスにネックレス、髪を染め、パーマをかけているのは皆に共通するものであった。
我々の学校で、日本人のような格好をすれば退学処分になっても不思議ではない。とは言いながらも、日本人学生たちが「学問がなくて下品」と言っているわけでなく、国が違えば生活様式等も異なるだけであろう。
教師が教室に中国と日本の国旗を飾ったとき、一部の「愛国心の強い」学生たちが不満を申し出ていた。しかし、私は現在の日本に対しては何の敵意も持っていない。日本にだって数々の優れた点が存在し、その優れた点は認めるべきであり、全てを否定してはいけないと感じている。
日本と中国という関係において調和のある関係を築くためには、理性的な認識を持っていなければならないと思う。私は調和のある関係を望んでいる。
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12)暮らし関連
優雅な乗馬通勤、驚きのそのわけは…―山東省青島市11月11日Record China
2008年11月8日、山東省青島市の一般道路上で7日午前9時頃、乗馬服姿の若い男性が馬に乗って颯爽と走っていたと伝えられた。目撃した通行人や走行中のドライバーはビックリ。パトロール中の民警が馬上の男性に追いつき、彼に帰宅を促した。「北京晩報」の報道。
「なぜ馬に乗ったらいけないんだ?」と男性は警官に不満顔。現場に到着した同紙記者に対し、「車を買うには何万元もかかるし、免許を取らなきゃいけない。道路を走れば通行料金、駐車すれば駐車料金、違反すれば罰金を払う。馬は便利だし、環境保護にもなるし、エサは1日2回干草をあげればすむ」と話す。 【その他の写真】
「免許証は取ったんだけど、ガソリン代も値上がりしたし、やっぱり馬が一番だと思って」と説明する彼は、小さい頃から乗馬を習っていたという。1か月ほど前に知り合いの農家から3000元(約4万5000円)で愛馬を手に入れ、毎日乗馬通勤しているとのこと。以前はバスで通勤していたが、渋滞で常に1時間以上かかりウンザリしていたそうだ。
現場に集まった人々は「馬が道路を走れば車の邪魔だし、歩道を走れば歩行者が危険」と男性を非難。「ただ目立ちたいだけだろう」というのが大半の意見だったが、若者は彼の行動を「カッコいい」「騎馬警官だっているんだから、騎馬通勤者がいてもいいんじゃない?」と肯定的に見ていた。
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<金融危機>出稼ぎ1千万人「正月帰省」早める、工場閉鎖で
2008年11月15日、香港「文匯報」は、世界的な金融危機の影響で、中国では今年6月頃から労働集約型の輸出企業が相次いで閉鎖、職を失った出稼ぎ労働者が早めの正月帰省を余儀なくされていると報じた。
記事によると、「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者は、約2億1000万人。うち1000万人近くが失業のため、すでに早めの「正月帰省」を済ませた。特に「帰省客」が多いのは広東省。同省では10月11日~27日、広州駅からの乗客が前年同期比12万8000人増にもなり、旧正月の帰省ラッシュ並みの混雑を迎えた。特に、四川、重慶、浙江、江蘇行きの旅客が多いという。 【その他の写真】
海外からの注文が激減した中国では、製造業の倒産が相次ぎ、現場を支えてきた「農民工」と呼ばれる内陸農村部からの出稼ぎ労働者の失業も急増している。国家発展改革委員会の統計によると、今年上半期に倒産した中小企業は6万7000社。珠江デルタでは10月の1か月で、50社近い香港企業が破産申し立てをした。年末にかけてその数はさらに加速を続け、香港企業全体の4分の1が倒産すると予想されている。
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13)上海・北京・杭州・蘇州・南京・香港ほか中国都市関連
地下鉄工事で崩落事故、50人以上が生き埋め―浙江省杭州市
11月16日 Record
China
2008年11月15日午後3時ごろ、浙江省杭州市の地下鉄1号線の工事現場で崩落事故が発生した。50人以上が生き埋めになった。救助作業が進んでいるが、1人の死亡を確認したほか、なお18人が行方不明となっている。中国新聞社が伝えた。
現場は蕭山区蕭山風情大道の駅出口付近。幅20メートル、長さ100メートルにわたり陥没、路線バス1台を含む車両十数台が飲み込まれた。合計で50人以上が生き埋めとなったと見られる。影響で同地区では大規模な停電が発生、復旧には3、4日が必要だという。
ただちに救出作業が開始されたが、付近の川から大量の水が流れ込んだこともあり、救出は難航している。これまでに1人の死亡が確認され、19人が病院に搬送された。なお18人が行方不明と見られる。
杭州:崩落・陥没事故、車内確認にフロッグマン投入11月16日サーチナ
15日付中国新聞社電によると、浙江省杭州市内の地下鉄工事現場で発生した崩落・道路陥没事故で、穴に落ちて水没した通行車両の内部を確認するため、当局はフロッグマン(潜水作業員)5人を投入した。現在のところ、取り残された人は見つかっていないという。同事故では1人の死亡が確認され、16人が行方不明だ。
崩落事故は15日午後4時ごろ、杭州市風情大道の地下鉄1号線建設現場で発生した。崩落にともない、上を走る道路は幅約50メートル、長さ約100メートルにわたり陥没した。穴の深さは最大で20メートル程度という。この崩落で、通行していたバスや乗用車、トラックなどが次々に穴に突っ込んだ。
事故発生後、陥没した穴には水が溜まり始めた。消防はポンプで水をくみ出しているが、当初2メートル程度と伝えられた水深は、5メートル程度になった。
転落した自動車に乗っていて、穴から自力で脱出した人もいたが、取り残されている人がいる可能性もあるとして、当局はフロッグマンを投入した。また、事故発生当時に、工事中の坑内には作業員ら約100人がいたとされる。
この事故で、1人の死亡が確認された。負傷して病院に運び込まれた人は19人。16人が行方不明だ。
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完成直後のビル倒壊:7人死傷、4人不明-湖南省11月18日 サーチナ
湖南省永順県で17日午前2時すぎ(現地時間)、完成直後のビルディングが倒壊し、7人が死傷、4人が行方不明となっている。18日付で新華社電(英語版)などが伝えた。
新華社電によると、ビル倒壊で3人が死亡、4人が負傷した。このほか5人が救助されたが、引き続き4人が行方不明になっている。同ビルディングには現地にある信用合作社がオフィスを構えているという。警察や消防などが100人体制で行方不明者の捜索に当たっている。
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大連:09年に海底トンネルの建設着工へ11月15日 サーチナ
大連市が2009年、大連湾を縦断する海底トンネルの建設に着工することが分かった。大連港を起点に大連湾の海岸線に沿って北上し、大連経済技術開発区に至る全長6キロメートルの道路を建設するもので、うち3.5キロメートルが海底を走るトンネル部分となる。投資額は35億元。3、4年の工期を予定している。新華社が伝えた。
現在、大連市街地と開発区を結ぶ道路は1本のみで、道路渋滞が深刻化している。新道路が開通すれば、道路渋滞の大幅な緩和が期待できそうだ。
大連市政府がこのほど発表した09年の重点インフラ事業に同事業が含まれていた。市では公共投資拡大を決定した中国政府の方針に沿って、これらの建設進度を速める計画だ。
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地上げ屋と戦争だ!?立ち退き拒否のレストランが要塞化―南京市
2008年11月12日、中国新聞社は江蘇省南京市に要塞化した立ち退き拒否家屋が登場したことを伝えた。
立ち退きを拒否しているのは南京市建康路の王府レストラン。開業から22年の老舗だが、周囲には鉄条網、窓には鉄格子、入り口にはブルドーザーの進入を防ぐため軽ワゴン2台を駐車。玄関には突破されないようタイヤを置き、屋根には釘を打ちつけた木の板を敷き詰めて万全の守りを固めている。 【その他の写真】
同レストランは南京市の繁華街に位置。現在再開発が進められているが、店主は1平米あたり1万5000元(約21万円)の補償金に不服として立ち退きを拒否している。店主によれば、周囲の地価は1平米あたり数万元、補償金は不当に安いという。もし立ち退けば1日あたり2500元(約3万5000円)を売り上げ、4世帯10人を養っているレストランの収入がなくなってしまうと訴えた。店主は不動産業者に補償金の引き上げ、または再開発後に同面積の路面店を提供するよう求めたが、拒否された。
膠着状態が続いた今年9月28日、店主はついに立ち退き強制執行の通知を受けた。そこであくまで対抗するためレストランを要塞化を決意したという。中国語では立ち退き拒否住民のことを「釘子戸(釘で打ちつけられたように動かない住民)」と呼んでいる。報道は25キロもの釘を屋根に配置した同レストランこそ、「本物の釘子戸」だと報じている。
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14)科学技術・軍事関連
「日中科学技術シンポジウム」12月東京で開催11月18日 サーチナ
独立行政法人・科学技術振興機構の中国総合研究センターは12月9、10日、東京大学安田講堂(東京都文京区)で日本や中国などの科学研究者や教育、企業関係者らによる「日中科学技術シンポジウム 躍進する中国科学技術」を開催する。日本語、中国語、英語の同時通訳付きで参加費は無料。定員は各日1000人で、中国総合研究センターの公式サイトから申し込みが必要だ。
同シンポジウムでは「中国の科学技術に今何が起きているか」「日本や諸外国はこれにどう対応していこうとしているのか」を探ると共に、科学技術分野で大きく発展しつつある中国との協力関係をいかに築いていくべきかを考える。
講演者として中国・清華大学の顧秉林学長、東京大学の小宮山宏総長、中国科学技術情報研究所の賀徳方所長、マイクロソフトアジア研究院の張益肇技術総監らが参加する他、「中国における研究最前線」「競争と共存~中国ハイテク企業の台頭と加速する日中連携~」と題したパネルディスカッションを行う。
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15)中国以外の他諸国関連(台湾含む)
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16)文化・芸能・料理・スポーツ関連
最大の塩湖に水戻る、ひとまず枯渇の危機を脱出
2008年11月15日、枯渇により消失が懸念されている新疆ウイグル自治区の艾比湖。艾比湖湿地自然保護区の保護ステーションによると、湖に水が徐々に戻ってきており、枯渇の危機はひとまず免れたと発表された。中国新聞ネットが伝えた。
艾比湖は新疆ジュンガル盆地の西南端に位置し、新疆最大の塩湖。中国4大砂嵐発生地の1つともされている。今年はこの地域の干ばつが続き、水量は豊富な時期の3分の1にまで減少した。専門家によれば、もしこのまま干ばつが続けば、艾比湖は夏、秋の時期には完全に消失し、むき出しになった湖底が砂嵐の発生源になると危惧されていた。 【その他の写真】
艾比湖湿地自然保護区保護ステーションの高翔(ガオ・シアン)副所長によると、周期的な季節の変化に伴い、周辺地域の農業用水使用料が減り、ボルタラ河、精河の水が流れ込むことによってある程度水が戻ったという。しかし来年の春、夏に干ばつが再び起こり、農業用水の使用量が増えれば、また湖水は減少の危機にさらされると高副所長は危惧している。
艾比湖消失を防ぐために、新疆政府は90年代から湖岸の治水工事、ボルタラ河流域の節水工事などを行っている。今回も大規模な節水措置や、畑への植林などの措置を執ってきた。
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文革の嵐まぬがれた名画の数々、オークションに11月12日 サーチナ
北京華辰拍買有限公司が9日-13日まで開催する秋季オークションに、「積翠園基金会」による、宋、元、明、清代から現代に及ぶ有名画家の国宝級作品が多数出品されている。
これらは同基金の主催者で、北京地区の共産党関連グッズ収集家でもある陳英、金嵐夫妻が文化大革命期に収集、保護した伝統的名画や書作品で、今回無償でオークションに出品し、売上金は文化教育基金に当てるという。写真は「万暦御府之宝」「乾隆欽賞」などの印が見られる、明の仇英画「山水人物図」。
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水墨画という限られたフィールドの中で長らく実験的創作を試みてきた画家の張羽(ジャン・ユー)。水墨画家でありながら具象物を描かず、中国の現代アートらしい極多主義的な創作を続けてきたこの作家は、ついには「創作」という行為そのものを作品として昇華することに成功した。
現代中国における抽象芸術を代表するムーブメントとして「極多主義(マキシマリズム)」がある。これは、60年代のアメリカで発生した「ミニマリズム(必要最小限のフォルムやモチーフで表現を試みる)」に影響を受けながら、それに逆流するように生まれたムーブメントである。あるモチーフを連続、重複、あるいは反復させるという手法で、それは無限に続く創作行為を想起させる。もともと張羽はこの極多主義の影響を受けながら、02年以降、水墨画の世界を打ち破り、さまざまな素材やメディアを駆使した実験的創作を試みる。その末にたどりついたのが「フィンガープリント(指印)」という作品だ。 【その他の写真】
顔料を指にとり、それを画紙に押しつける。この単純動作を延々と繰り返す。何度も押しつけるうち、顔料は薄れていく。再び指に顔料をつける。こうして濃淡が生まれ、無作為に指を動かした結果、ある場所は指紋が密集し、ある場所には隙間が生まれる。無数の指紋に、ひとつとして同じものはない。「人文芸術」編集長・査常平(チャー・チャンピン)氏はこれを評して、「そこには具体的な、あるいは物的なメッセージは見られないが、作家が製作の過程で体感した情感の流動が現れている。絵筆を捨て、自らの指で替えたことで、画面全体を内在的な生命力で覆うことに成功したのである」としている。
しかし、この作品はそれだけでは完成していない。その制作のプロセスを克明に記録した映像こそが、この作品の本体である。まっさらな画紙はひとつひとつ、忍耐強く、一途に、無心に、時には偏執的に、指紋を刻印していく。それは気の遠くなるような作業だ。しかし、一晩降りしきった雪が翌朝には一面の銀世界をつくるように、ついには画面が埋め尽くされる。画面からは作家の念や情が溢れ出さんばかりで、押し寄せる波のように見る者を圧倒する。(文/山上仁奈)
●張羽(ジャン・ユー)
中国の現代水墨画家。1959年生まれ、天津出身。字は郁人、号は石雨。1988年、天津工芸美術学院卒業。天津楊柳青画社などで編集を担当した後、現在は中国天津交通職業学院副教授、北京電影学院・新メディア学科客員教授を務める。国家2級美術師の称号を持つ。水墨画と現代アートを融合させた実験的作品の創作を続けており、新たなジャンルとして確立した「実験水墨」の代表作家のひとりである。指につけた顔料を画紙にひたすら押し付けた「フィンガープリント(指印)」、宙に浮かんだ円や破れた方形が印象的な宗教的作品「霊光」シリーズなどが特に有名。
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中国・晩秋(1)清少納言も思い馳せた「廬山の絶景」11月15日 サーチナ
11月になり、中国新聞社は中国各地の秋の風景を、次々に配信している。写真は1996年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された廬山自然公園の光景。
関連写真:そのほかの中国の世界遺産に関する写真
廬山は名勝の地として知られ、六朝時代の詩人、陶淵明(365-427年)も、『飲酒十二首』の中で「採菊東〓下 悠然見南山(菊を採る東〓の下、悠然として南山を見る)」と歌った。同作品は古くから日本でも愛され、平安時代に清少納言が著した『枕草子』にも同作品にまつわるエピソードがある。(〓は竹かんむりに「離」のへん部分)
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中国・晩秋(2)夕日にたたずむ廬山の「歴史的」別荘11月15日 サーチナ
11月になり、中国新聞社は中国各地の秋の風景写真を、次々に配信している。写真は江西省九江市にある廬山地区の古い別荘群。
関連写真:そのほかの江西に関する写真
廬山は古くから名勝として知られ、中華民国時代には蒋介石など国民党幹部らが、廬山に一群の別荘を建てた。また、廬山は1959年夏に中国共産党中央政治局拡大会議(廬山会議)が開かれた場所としても知られている。
1958年に始まった大躍進政策の失敗で、毛沢東は国家主席を辞任(同年11月)。後任には劉少奇が選出され、毛沢東の権威は失墜していた。毛沢東は廬山会議で批判的な意見を提出した古参幹部の彭徳懐らを「反党集団」などと猛攻撃して失脚に追い込んだ。
その後、中国では客観的事実にもとづいていても毛沢東批判が極度に難しくなり、1960年代から70年代後半までの文化大革命に至る、毛沢東への個人崇拝を軸に政治が行われるという異常な事態を迎えることになった。 廬山会議も写真の別荘群を舞台に行われた。
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中国・晩秋(3)安徽・黄山唐模、落日の木漏れ日11月15日 サーチナ
11月になり、中国新聞社は中国各地の秋の風景写真を、次々に配信している。写真は安徽省の黄山唐模自然風光景区の森で撮影された、落日の木漏れ日。
関連写真:そのほかの安徽に関する写真
黄山市では11月4-11日、第12回黄山国際観光祭が開催されている。晩秋の自然の風景と同時に昔ながらの文化も楽しめるよう、観光祭では地元の伝統劇や工芸品展示会など、盛りだくさんの企画が用意されている。
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17)歴史関連
「東洋のマタ・ハリ」は生きていた?=処刑逃れ、78年まで長春で-中国紙
【北京15日時事】満州国建国にかかわった旧日本軍のスパイで、1948年に北京で処刑されたはずの「東洋のマタ・ハリ」こと川島芳子が、処刑を逃れ、中国東北地方の吉林省長春(旧新京)市で1978年まで生きていたとする証言が飛び出した。同省の日刊紙・新文化報が15日までに報じた。芳子をめぐっては処刑直後から替え玉を使った逃亡説がささやかれてきたが、その後30年間も生存していたという証言は初めて。 証言したのは長春市の女性画家、張※(※=金ヘンに玉)さん(41)。張さんの母(64)は残留日本人孤児で、引き取って育てた男性が2004年末、86歳で亡くなる直前、義理の孫の張さんを枕元に呼び「お前が小さいころ世話をしてくれた『方おばさん』は実は川島芳子だ」と明かし、「方おばさん」の形見の品を託したという。
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【今日は何の日】1908年:光緒帝が崩御11月14日 サーチナ
1908年11月14日、光緒帝(こうしょてい)が死去した。
光緒帝(1871-1908年、在位1875-1908年)は清の第11代皇帝。道光帝の第7子である醇親(じゅんしん)王の第2子として生まれる。母は西太后の妹。
1875年に先代の同治帝が19歳の若さで死去すると、西太后によって擁立され、わずか4歳で即位。朝廷内の実権は「摂政」西太后が握っており、光緒帝が親政を開始した後も常に西太后が監視の目を光らせていた。
日清戦争での敗北後、列強の侵略が進むなか、1898年には康有為、梁啓超などの知識人を起用して国政改革に取り組む(戊戌の変法)。しかしほどなく西太后を中心とする保守派のクーデターによって弾圧され、改革はわずか100日で挫折した(戊戌の政変)。光緒帝は中南海の瀛台に幽閉され、監禁されたまま亡くなった。
死因については毒殺説や病死説などがあり論争が続いていたが、2003年から調査を続けてきた中国の専門家チームはこのほど、光緒帝の遺髪や衣服の一部から致死量を超えるヒ素が検出されたとして、死因は急性ヒ素中毒であり、光緒帝は何者かに毒殺されたと結論付けた。殺害の首謀者については、西太后とする説や袁世凱とする説などがある。なお、西太后は、光緒帝崩御の翌日11月15日に死去した。
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【今日は何の日】1934年:史量才が暗殺される11月13日サーチナ
1934年11月13日、中国マスコミ界の大物資本家、史量才(し・りょうさい)が暗殺された。
史量才(1880-1934年)、上海市出身。『時報』編集主任を経て、1912年に『申報』の経営権を引き継ぎ、総経理に就任。経営を立て直し、発行部数を大きく伸ばした。1929年には『新聞報』と『時事新報』の株式の大部分を取得し、中国マスコミ界最大の資本家となった。
1931年9月18日の柳条湖事変以降、国民党・蒋介石の不抵抗政策に不満を抱き、『申報』上でしばしば国民政府を批判する記事を発表。国民党による共産党包囲攻撃に反対し、宋慶齢らが設立した中国民権保障同盟を支持するなどしたため、蒋介石の怒りを買い、『申報』は最大35日間の発禁処分を受けた。
また、蒋介石と史量才が会談した際、蒋が「私には100万の軍隊がある」と言うと、史は「私には100万人の読者がいる」と返し、ここから蒋介石は史量才を取り除く決心を固めていったという。
1934年11月13日午後、妻や息子らとともに自家用車で杭州から上海に戻る途中、国民党スパイに狙撃され死亡。一緒にいた息子の同級生と運転手も犠牲になった。
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18)中国流行語・中国語関連・中国法規制・制度、そのたの
コラム・ブログなど
この秋読みたい中国本その4『中国新思考―現役特派員が見た真実の中国1800日』11月12日 Record China
Record China読書推進協議会では、中国を知るためにこの秋ぜひ読みたい中国本を紹介する。その第4回は、『中国新思考―現役特派員が見た真実の中国1800日』(藤原大介著、日本僑報社、税込2730円)だ。
日本を覆う「嫌中」。中国に燻る「反日」。「暖かい春の旅」と呼ばれた今年5月の胡錦濤訪日後も、国民感情が冷え込んだままの日中関係。そんな閉塞状態の中、人権問題やチベット問題など中国の「陰の部分」、反日デモやギョーザ事件など日中の「敏感な問題」に真正面から斬り込み、中国人の幅広い共感を得た日本人によるコラムが話題となっている。このほど、それらを編纂した書籍が日中対訳版として日本国内でも出版され、巷にあふれる中国関連の書籍の中でひときわ異彩を放っている。
【その他の写真】
若きチャイナ・ウォッチャーであり、現役の中国特派員である藤原大介氏が手がけた「中国新思考―現役特派員が見た真実の中国1800日」(日本僑報社)は、生の「日中関係論」である。収録された原稿の大半はまず中国語で書かれ、中国国内の雑誌に掲載。日中間の「微妙な問題」に日本人が物申す、というきわめてリスキーな切り口ながら、中国人読者の広い支持を得た。
中国きっての日本通である中国社会科学院の劉志明主任は、藤原氏の中国を見つめる視線に誠実さと公平性があると評価し、「日本メディアの中国報道の中では『希少資源』だ。日本の人々の中国理解に役立ったと同時に、中国人が自己観察する上で良い『鏡』となった」としている。
本書は「一方通行」の議論に終始し、決して交わることのない日中メディアの現状に風穴を開ける可能性を秘めている。嫌中と反日、あるいは日中友好―両極端に振れる従来の未熟な関係を超えた、「成熟した日中の将来像」がこの本の中にある。
■著者プロフィール:藤原大介(ふじわらだいすけ) チャイナ・ウォッチャー。03年秋、「史上最年少の特派員」として、JNN(TBS系)北京支局に赴任。日中関係が激動し、中国が飛躍的に発展した過去5年間を、中国報道の第一線で活躍した。
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「更迭」は首のすげかえ? 漢字・漢語あれこれ(6)11月12日 サーチナ
日本語と中国語(126)-上野惠司(日本中国語検定協会理事長)
これはオカシイだの、あれはヘンだのと人様のことば遣いをあげつらっているが、当のご本人も恥ずかしい誤りを重ね続けている。
早いところでは、「流れに棹さす」。「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば……」あまりにも有名な漱石の『草枕』の冒頭の一句である。「棹さす」は「さおを使って舟を押し進める」ことであるから、当然「流れに棹さす」は、時勢・時流を見抜いてうまく世渡りするという意味に理解しなければならない。それを勝手に「時流に逆らう」の意にとって、長い間こじつけた読み方をしてきた。さすがに人前で話したり文章に書いたりはしていないが、これで国語教師として高等学校の教壇に立ったこともあるのだから、お粗末な話である。
これはまだ教師になるずっと前のことだが、高校生の頃、クラブ活動で新聞部に籍を置いていた。あまり人気のないクラブで、それに夜間高校でみな昼間の職を持っていたから、部員は少なかった。それをいいことに、主筆か主幹気取りに紙面を独り占めしていた。ある年、主事の先生の交替があった。今もそういう職名があるのかどうか知らないが、主事は夜間課程の校長の役割を果たしておられたかと思う。
早速、新聞部の「主筆」は、先の主事を送り新しい主事を迎える記事を書き、タイトルに「主事更迭」ということばを使った。その頃習い覚えたばかりのコウテツという漢語を使ってみたかったのである。
どこからも苦情は出なかったが(誰も読んでくれなかっただけのことかもしれないが)、この場合の「更迭」はヘンだ。誤用と言い切れるかどうかは自信がないが、ちょっと落ち着かない。
「更迭」を辞書で調べると、例えば『岩波国語辞典』には、「その役目の人がかわること」、「その役目の人をかえること」とあり、「大臣を更迭する」という用例が付されている。
この限りでは褒貶は鮮明でないが、多くは貶義を帯びて使われているように思う。暴言を吐いた大臣の首をすげかえたとか、成績の振るわなかったプロ野球チームの監督を交代させたとか……。今もそうだが、50年前の私の高校生時代もそうであったように思う。
というわけで、上の別れを惜しむ文章の中に場違いの「更迭」ということばを使ったことが、今も気にかかっている。もっとも、本文中には「慈父のような○○先生を送り……」のような文言を用いたから、悪意をもって使ったわけではないことは、十分伝わっていたとは思うが。
この「更迭」という語、中国語としては「互いに入れ替わること」をいうだけで、褒も貶もない。また人事だけではなしに、春が去って夏が来たり、月が沈んで日が出たりの自然現象にも用いる。なぜ日本においては、今日のように限られた範囲においてしか使われなくなったのか、理由はよくわからない。
なお、「更迭」の表記については、明治時代に矢野龍溪が『経国美談』という政治小説の中で「交迭」を用いているが、小学館の『日本国語大辞典』がこれを「更迭」の条に押し込んでいるのは、解せない。(執筆者:上野惠司)
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やはり朝日新聞の中国報道は変わっていた11月12日 サーチナ
中国を読み解く視点(72)-高井潔司(北海道大学教授)
この9月、私は本欄に「“媚中報道”を止めた朝日新聞の気になる最近の報道」という少々挑発的な文章を書いた。一部の雑誌などでいまだに朝日新聞の論調が「親中国」的と批判している評論を見るにつけ、それはもはやステレオタイプな見方だと指摘する一方、最近の朝日新聞の変身を少々皮肉るつもりもあった。朝日新聞の真意を直接確認したわけではなかったので、朝日新聞の友人から抗議が来るのではと心配したが、それは杞憂だったようだ。抗議どころか、むしろ、最近では、「やはり朝日は変わっていたんだ」と確信する二つの出来事に出くわした。
◆朝日が明らかにした報道方針
一つは、日本新聞協会が発行する「新聞研究」11月号の北京オリンピック特集で、朝日新聞の編集幹部が書いた「光と影、両輪を貫いて」を読んだことである。この文章はサブタイトルが「中国の現状をどう伝えたか」とあるように、北京オリンピックをめぐって繰り広げた朝日の報道の舞台裏を明らかにしている。
朝日新聞社において、今回の北京オリンピック報道の責任者を務めた佐藤吉雄変中局長補佐の文章で、冒頭、閉幕後に聞いた2人の「紙面モニター」の朝日のオリンピック報道に対する「対照的な意見」を紹介し、朝日の採用した取材方針、今後の中国報道の方針を示している。
まず2人のモニターの意見を簡単に紹介しよう。1人は「北京の人権軽視・報道規制、チベット・ウィグル自治区などでの動向、表面の華やかさから意図的に隠された庶民のうめきなど中国の今の実相を的確に把握できた。中国国内では今後、様々な揺り戻しや締め付け強化などが表面化しようが、引き続き勇気を持って果敢に記事化してほしい」と述べ、もう1人は「バッシング的な報道が多くなかったが、中国の政治、社会・メディアの状況は確かに我々の目から見ると問題点、おかしなことが多い。しかし、私たちの国もそうした経過を経てきたことを考え合わせ、中国の人々に真摯な態度で提言、問題提起するという姿勢の報道であってほしかった」と述べたという。
佐藤局長補佐はこの「対照的な二つの意見には、私たちが北京五輪の報道に込めた意図がそのまま反映している」とした上で、今回の取材方針を明らかにしている。つまり、「それは、世界最高で最大のイベント、平和の祭典が中国で開かれる『光』よりはむしろ、様々な矛盾を抱えたまま大国化した中国の人権抑圧や格差などの『影』を正面から伝えようということである」という。
私には、2人のモニターの意見がそれほど対照的とは思えない。それぞれ中国の問題点について指摘すべきであると考えているが、後者はそれを伝える側の姿勢の問題をさらにプラスして問うているのである。それはともかく佐藤局長補佐のこの考え方からすると、やはり朝日はこれまで「影」の部分を正面から勇気を持って果敢に伝えてこなかったかのような印象を与える。一部の評論家が言うような「親中国」派であったことを自ら認めているのだろうか?
そして、「『光』の方は、意図しなくても五輪本番へ向けて取材を進めれば、これまでの五輪と同じように自然にニュースが増える。しかし、『影』の部分はそうはいかない。欧米の先進国ならともかく、経済は改革・開放しても政治は一党独裁で、取材、報道の自由が保障されない国である。当局が取材に協力するわけがない。とにかく、現場へ何度も足を運び、当事者やなるべくそこに近い人たちに直接取材するしかない」と現場主義の徹底を強調している。この文章を読む限り、現場主義は「影」の部分の追及に向けられたといえよう。後続の小見出しも「踏みにじられる人権を告発」「開幕後も『影』追 |