漢院の歴史

皋蘭路28

 過去、現在、未来

     ___漢院歴史(一)

 

三年前、夢を目指して、漢院を開業しました。理想と現実、経営とに格闘し、数多くのストーリーがありました。

三年目の現在において、過去を振り返り、原点に戻り、夢をもう一度確かめ、形にしたい気持ちが非常に強くなりました。

今、漢院を訪れる方々はまず始めにその建物に感動したといってくださいます。私と親しくなると、建物についての質問がとても多いのです。 建物の歴史、入手方法、金額等、実に皆様は興味深深です。ここで紹介しておきましょう。

この建物との出会いは2004年夏になります。上海ルーワン区政府系大学の付属印刷工場が、政府の政策により閉鎖され、大学の校長先生より、工場の跡地の活用方法に関して相談を受けました。

正直に言って、最初その物件を見たときには、私はあまり乗り気ではありませんでした。

一階、印刷場兼倉庫に入った瞬間、インク油の臭いとカビの匂いが鼻につきます。印刷工場といっても、本当にコレクションにもなるではないかと疑うほどの古さです。何とガリ版の印刷機、おまけに部屋の角にずらり、鉛で出来た漢字の刻印が並べられていました。実に重い、その後の改築工事で判りましたが、床が15センチも沈んでしまっていました。

二階はある職業学校の集団宿舎です。女の子ばかり20人ぐらい生活していました。衛生状況もよいものではなく、古く汚い場所でした。

庭もレンガとコンクリートで囲まれ、プレハブと物置き場になっていました。

現状ではとても使用できません。でも改築すればとてもお金がかかりそうです。

しかし、何となく気になってこの建物の由来を調べて見ると、びっくり。何と元オーナーは国民党時代に中国銀行董事長を務めた宋漢章という方で、彼の住んでいた邸宅でした。彼にまつわる最も有名なエピソードは、1916年、上海の金融危機の際のものです。その年、北京、天津地区は銀行危機に陥り、北京北洋政府は上海の銀行に支払拒否の命令を出しました。しかし上海にいる宋漢章はその命令を拒否し、土日も銀行に営業させ、その結果上海の金融危機は回避されました。共産党政権になってからも、中国銀行の董事に選ばれましたが、後に辞職し、ブラジルに渡り、1968年に香港で亡くなりました。 

宋漢章は私と同じく浙江省の出身ということもあって、親近感を感じ、ほっておけない気持ちになりました。

また、その邸宅の周りには、実に多くの著名人がかって住居を構えていたことも分かり、大変驚きました。孫文、周恩来、郭沫若、張学良等々、中国の歴史を作ってきた怱々たる人たちのかっての住居の昔の面影が依然と残っていました。最近、少しづつとは言え、整備されつつありますが、まだまだ十分とは言えないことが残念です。

ですから、よく羨ましがられる話ですが、漢院が使っている老房子は私が見つけたものではなく、頼まれて活用を引き受けただけなのです。これも一つのご縁でしょう。

 

さて、次はここを使ってなにをするかです。物件は教育局が所有していますので、やはり教育や文化活動に限定されます。

ここで私は、上海に滞在している外国人のビジネスマン、立場が高い人ほど、中国語が話せない人が多いことに気づきました。5年ぐらい上海に駐在しても、『ニハォ、シェシェ』しかできないとよく耳にします。信じられない方も多いとは思いますが、それが現実です。上海だけでの生活なら、あまり不自由を感じずにすんでしまう方もいますが、中国を「世界の工場」から「マーケット開拓」へと業務の移行を行うに当たり、現地の人々との交流を避けて通れない状況がうまれたとたんに困ってしまうのです。

また帰国を目の前に、初めて、中国語を勉強しておけばよかったと後悔する人も多くいらっしゃいます。帰国後も、社内では中国通として期待されているのに、中国語さえろくに話せないのでは苦痛でたまらないものです。

 

では、そんなな忙しい方にもくつろいでいただきながら勉強できる環境を作りましょう! というのが私の決断でした。

そして、事業計画作り

 資金調達

 老房子改造

 マネージャー探し

 人材確保、トレーニング

 教材開発

 まぁ、たくさんの物語がありました。詳しいことは次回で述べさせていただきます。

 

 最終的に完成したものは:

 語学学校にとどまらず、ライフスタイルを提供する施設。

 教育はサービス業です。(当たり前だけど、中国では革命的)

 語学は道具です。目的はコミュニケーションです。コミュニケーションできない語学は無意味です。

 教師の役割は教えることではなく、勉強を手伝うことです。

中国語勉強を諦めている方の夢をもう一度掘り起こしたい、それが私の学校経営の目標なのです。


 孫源源プロファイル

19753月生まれ

1994年浙江省法律学校卒

1995年日本留学

2001年日本大学商学部卒

2001年日本滋慶学園グループ入社

20017月滋慶投資諮詢(上海)有限公司設立

20054月 漢院設立

上海中国語学校漢院

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